どんなに大きくなっても指は10本しかありません。ピアノの鍵盤の数は88鍵。これも変わりません。88鍵を全て使うことはないにしても、10本の指でたくさんの鍵盤を扱うことになりますから、ピアノは指を広げたり縮めたりして弾いていくことになります。

出てくる音の数が少ない曲の場合は、手を固定したまま弾けますが、音に広がりが出てくるようになると、指番号はとても重要になってきます。その場合、指番号だけを見て曲を弾いていると、違う音を弾いてしまうことがあります。指番号は重要ですが、指番号を見る前に音を確認することが更に重要です。

まずは何の音なのかを確認して、それから何番の指でその音を弾くのかを見るようにします。先走ってしまい、指番号だけを見て取り合えず音を出してしまう生徒さんがいらっしゃいますが、丁寧に音を読むことを怠ってはいけません。音がわかれば鍵盤を確認して指を持っていくようにしましょう。随分と時間がかかるように感じますが、音がさっさと読めるようになれば初見でもミスなく弾けるようになっていきます。

音をさっさと読めるようにしていくためには、同じ曲で止まっていてはいけません。様々な曲に触れることで鍛えられていきます。初級レベルの段階では、1週間に1曲の合格を目指して練習に取り組んでいかれるとよいでしょう。
正しいリズムで弾く為には、練習している曲は数えて弾けるようにしなければいけません。特に新しいリズムを学習したときは、説明を聞いて理解したつもりでも、実際に正しく弾くことができなければ理解したとは言えません。

小学校高学年で始められた生徒さんは理解する脳力は確かに早いのですが、思うように弾けない現実があります。それは、リズムの取り方にも同じ事が言えます。1と2と3と4と・・・数え方は理解しているけれど、聞いているとリズムがちょっとおかしい・・・。間違っているようだけど何処が間違っているのかわからない。だったら楽譜に書いてみればいいのです。

楽譜にドレミを書くことは禁じていますが、数え方は自分で書き込んでもらって全然OKです。レッスン中にも「書いてみたら」と書いてもらうこともあります。何度か繰り返していくとリズムが正しく取れるようになっていきます。自分の手で書き込むことで理解も進みます。受け身だけのレッスンでは上達もゆるやかです。

最近、自分で楽譜に数え方を書き込んでレッスンを受けている生徒さんがいます。リズムが正しく取れるようになってきているのがわかります。数え方に自信がない生徒さんは、1度自分の手で書き込んでみましょう。くれぐれもドレミだけは書き込まないようにお願いしますね。
3歳の小さなお子様でも大人の生徒さんでも、上達の度合いは練習量に比例します。練習量が多いと言うことは、練習時間が多いと言うことです。

1日に10分の練習で、それも毎日練習をしない生徒さんと、1日30分の練習を確保しつつ、土・日など時間が取れるときには1時間の練習をしている生徒さんでは、上達の差は歴然です。生徒さんそれぞれに目標がありますから、皆さん一律に「練習をたくさんしなさい」と言うつもりはないのですが、難しい曲が弾けるまでにはならなくても、基本的な楽譜を読む力(いわゆる読譜力)は身につけて欲しいと思います。何年も時間をかけてピアノを習ってきたのに、弾きたい曲が弾けない・・・では悲しいと思いませんか?

中学校の合唱コンクールなどでピアノ伴奏の活躍をしている生徒さんに聞いてみると、平均して1日に1時間はピアノに向かっていると言います。部活動を行いながらピアノの時間を確保するのは難しいことですが、ピアノは弾いていなければ腕が落ちてしまいます。ブランクがあっても弾けるようになるにはなりますが、元の腕まで戻るには時間がかかります。それではオーデションに間に合いません。

時間の自由がきくのは小学生までです。小学生までにある程度の読譜力を身につけていれば、中学・高校になっても練習が苦ではなくなります。時間がない!と言っている小学生の皆さん、練習は今しかありませんよ!
同じ曲で止まっている生徒さんがいます。確かにややこしいリズムの曲だけど、学習してきた内容で弾ける曲のはず・・・。「この曲嫌いなの?」と聞いてみました。「知らない曲だから弾けない」とのこと。あ〜、これって弾けないのではなく、読譜するのが面倒くさいだけのことなんですよね。

知っている曲を弾くと言うことは、その曲のリズムや音、イメージが掴めているから弾き安いですよね。それはそれで楽しみながら演奏をするという点では、良いことだと思います。でも、知っている曲や自分の弾きやすい曲ばかりを練習していたのでは、読譜力が養われませんから上達は見込めません。

神田ピアノ教室では、読譜力を身につける指導をしています。将来的に、自分が弾きたいと思った曲を自分の力で弾けるようにしていく力です。その為には、楽譜の中の音を読むことはもちろん、リズムを正しく取れるようにしなければなりません。自分が弾いている曲を、数えながら弾けるように指導しているのはその為です。

生徒さんが何と言おうと容赦しない私は(怖い先生だわ)「取り合えず最後まで数えて弾いてみて!」と言って弾いてもらいました。つっかえつっかえでしたが、やっぱり弾けているのです。リズムの取り方も正しくできているのに、面倒がって練習に身が入らないだけでした。音が増えてリズムが難しくなってくると、こういったことはよく起こります。これを乗り越えて成長していくのだと思います。がんばって〜。
初級段階の生徒さんには必ず、ワークブックの学習も併用してもらっています。テキストに沿ったワークブックを使用していますので、学習してきたことが理解できているかどうか、確かめる役割を果たしています。

ワークブック学習の時は、私は生徒さんが記入するのを黙って見守っているのですが、皆さんがよくやってしまうのは、ヘ音記号の問題なのにト音記号で答えてしまうこと。以前にト音記号、ヘ音記号は音域を表す記号であることを記事にしましたが、これを読み間違ってしまうと音は全く違う音になります。音楽の教科書でもヘ音記号が出てくることは滅多にないので、先入観でト音記号読みになってしまうのだと思いますが、やはり楽譜はよく見なくてはいけません。

大譜表で書いてあるテキストでの間違いはあまりないのですが、両手ともト音記号で書いてある楽譜が出てきたりすると、読み間違えて練習をされている生徒さんもいます。右手がト音記号、左手がヘ音記号と言う決まりではありませんから、まずは何の記号で書いてある楽譜なのかを1番に見るようにしましょう。
ある生徒さんの保護者の方より相談を受けました。「自分の知ってるフレーズを弾いたり、ピアノで遊んでばかりで困っています」とのことでした。この生徒さんは入会して半年くらいですが、宿題の曲もきちんとこなしている生徒さんで、今のところ問題なく進んでいる生徒さんです。

保護者の方のお話によると、遊んでチャラチャラ弾くのではなく、宿題の曲をたくさん練習して欲しいのだそうです。確かに、遊び弾きを全くせずにテキストの曲ばかりをひたすら練習していけば、今よりも進みは格段に早くなるでしょう。好きでそれができる生徒さんはそれでも良いと思いますが、自分なりの遊びもなければ楽しく続けることは難しいと思います。

例えば、宿題の曲やテキストの曲を全く練習しないで遊び弾きばかり・・・と言うのであれば問題です。でも、宿題をこなした上で好きなようにピアノを弾いているのであれば問題はありません。むしろ、楽しくピアノを弾いている証拠です。せっかく楽しんで弾いているのに、それを禁止してしまってはピアノが苦しくて辛いものになってしまいます。

保護者の方の気持ちもわからないではありませんが、遊び弾きも必要です。お子様に余力があるようでしたらテキストの曲をどんどん進んでもらって構いません。生徒の皆さんにはお伝えしていますが、テキストは進められるのであればいくつでも進んできても良いことになっています。ただ難しくなっていけばそう簡単には進められませんが・・・。練習をした上での遊び弾きは大いにOKです。楽しく進めていきましょう。
家庭の様々な事情から、電子ピアノで練習をしている生徒さんもいらっしゃいます。遅い時間の練習になると大きな音を出せないので、ヘッドホンを使用しての練習になると思うのですが、それって本当に練習になっていますか?

あまりにレッスンの進みが遅くて、どう考えても練習をしているようには思えない生徒さんの場合は、保護者の方に連絡を入れることがあります。「毎日ピアノに向かっています」とおっしゃるのですが、弾けているかわからないとのこと。詳しくお話を聞いてみると、お子様はヘッドホンを使用して、なにを弾いているのかわからないけれど一生懸命にピアノを弾いているらしいのです。それって好きな曲を弾いているだけ?遊び弾きは必要だと説いてきましたが、それはテキストもこなした上での話です。

お子様は自由に弾いていることに満足、保護者の方は取り合えずピアノに向かっているから満足しているだけで、ヘッドホンを使用することで外に音が漏れないので、本当に練習をしているかどうか確かめることができません。1週間に1度でもお子様の生の音を聴いてみて欲しいのです。どんな曲を練習しているのかだけでも、関わりを持って欲しいと思います。お子様だって聴いて貰えれば、練習にも張り合いがでてきます。

ヘッドホン練習しかしていないと言うご家庭は、見直してみて下さい。ヘッドホン練習だけなんて悲しいと思いませんか?時間を見つけて、生音での練習を1週間に1度でも取り入れてみましょう。
今年はインフルエンザにかかる生徒さんが少なくてホッとしていたのですが、今週に入って、相次いで2人の生徒さんよりインフルエンザにかかってしまったと報告を受けました。

幼稚園の生徒さんと高校生の生徒さんでしたが、まだまだ油断はできないようです。ニュースなどでも今年のインフルエンザは長引くようなことを言っていましたが、本当にそうなのかもしれませんね。小学校も中学校もこれから卒業式を迎えます。ピアノを弾く生徒さんもそうでない生徒さんも晴れの舞台ですから、お休みすることなく迎えたいですよね。

毎日の気温の変化が著しく体調を整えるのにも一苦労ですが、気をつけてください。最後の最後になってインフルエンザにかかってしまわないよう、うがい・手洗いをしっかりしましょう。
8分音符(♪)の練習に進むと、今までの数え方とは違う数え方でピアノを弾く練習に入ります。1と2と3と4と・・・と言う数え方は、8分音符を均等にきれいに弾くための数え方になります。

きちんと数えて弾いている生徒さんは、きれいなリズムで弾けているのでOKなのですが、数えながら弾いていない生徒さんはすぐにわかります。8分音符が均等に弾けていないからです。タタタタ・・・ならば良いのですが、タタータタータターと言った具合にリズムが転んでいる生徒さんは、必ずと言って良いほど数えながら弾いていません。

リズムはきちんと理解をして自分のものになってしまえば、数えながら弾かなくても上手に弾けるのですが、まだ自分の中で消化されていない間は、どうしても転んでしまいます。8分音符よりも早い16分音符を練習するようになったら、更に均等に弾くことが難しくなっていきます。慣れるまでは数えながら練習することは必須です。8分音符をきれいに弾けるようにして、先へ進んでいくようにしましょう。
私の個人的な見解ですが、生徒の皆さんには、中学校の合唱コンクールで伴奏ができる程度の実力を身につけて欲しいと思っています。実際に伴奏をする、しないの選択は自分で決めることなのですが、そのレベルまで持っていきたいと考えています。

弾けるはずなのに少し足踏みをしている生徒さんには「伴奏ができるようになりたいのか、ゆっくりのペースでのんびり進みたいのか、どっちにする?」とお話をさせていただいています。「伴奏はしたくないから難しい学習はいや」とはっきり言ってくださる生徒さんもいますし、「どんどん早く上手になりたい」と意思表示をしてくださる生徒さんもいます。どのような方向で考えていくかによって、言葉がけや使用する教材が変わってきます。

学習していく内容はどちらも変わりませんが、学校で活躍するほどの実力を身につけるためには、立ち止まっている時間はありません。今現在の年齢にもよりますが、発表会でもないのに何週間も同じ曲を弾いているようでは、実力は身につきません。逆に、そこまで求めないのであれば急いで進む必要もないので、楽しみながら進めていけばよいと思います。

どちらにしても、ピアノは練習が必要な習い事です。特に、どんどん上達していきたいと考えている生徒さんは、おサボりばかりでは困ります。生徒さん本人の意思を大切にしていますが、保護者の方の考えもあると思います。困ったこと、わからないことなどありましたら、いつでも連絡をお願いします。
今日は驚異的な早さで進んでいる生徒さんのお話を紹介します。ピアノ学習を始めてまだ2ヶ月の未就学の生徒さんです。

ピアノ学習は全くの初めてで、他の生徒さんと同じようにドレミの学習から始めたのですが、既にテキストは3冊を終了しました。今は4冊目のテキストに入っているのですが、通常ならば4冊目あたりに進むとペースが落ちてくるのですが、全くペースが落ちることなく練習をされています。逆に「そんなにピアノばっかり練習しているとピアノが嫌いになっちゃうよ」と声をかけるほどです。

このようなお話を紹介すると、「だって小さいから時間があるじゃん」と聞こえてきそうですが、小さな生徒さんなりに音を読むことに時間がかかったりするものです。時間がないと言っても、小学生の間はまだまだ時間があります。中学、高校となるにつれて、本当に時間の使い方を考えないと練習時間が取れなくなってしまいます。

嬉しいことにこの生徒さんは「高校生までピアノ続ける〜」と言ってくださっているので、私もまだまだ歳は取れません(笑)3拍子の弾き方が定着しなくて少しつまづいていますが、来週にはきっと上手に弾かれているでしょう。新しい生徒さんも頑張っています。長く学習している生徒さんも追い越されないよう、頑張って練習していきましょう。
ブルグミュラーやチェルニー、バッハ系など中級以上のレベルの学習に進むと、自分が練習するテキストのCDを聴くようにご案内をすることがあります。

中級以上になってくると、基本的には譜読みができている状態ですので、表現力をさらに磨く学習に進んでいきます。譜読みを学習している初級の段階で曲を聴いてしまうと、お子様の場合は特に耳が発達していますから、耳コピで弾いてしまう可能性があるので、CDを聴いたり、保護者の方が弾いてあげたりするのは好ましくありません。私も次に練習する曲のお手本を弾いてあげることはしていません。

中級以上では表現力を身につける学習に進んでいきますので、曲の大体の雰囲気をわかってから練習をするのも1つの方法だと考えています。決してCDと同じに弾いてほしいわけではありません。CDは参考程度に考えてください。同じ曲でも演奏者が違えば弾き方は違ってきます。様々な演奏者のCDを聴き比べてみると面白いです。

図書館ではCDの貸し出しも行われているようです。曲に触れることで愛着も湧いてきますし、雰囲気も掴めると思います。ただし、参考程度に聴いてくださいね。いろいろ聴いた中から自分なりの表現力を身につけていきましょう。音楽は音を楽しむと書きます。まずは自分が楽しんで演奏することを心がけると良いと思います。
明日は中学校、来週には小学校の卒業式が行われます。小学校の卒業式でピアノ演奏をする生徒さんは、卒業式当日に着用する洋服でピアノを弾いてみられたでしょうか?

卒業式では大抵の生徒さんが、スーツなどカチッとした洋服を着られることと思います。普段着と違って袖周りや首周りなどが締まっているので、思うようにピアノが弾けないかもしれません。卒業式本番になって、洋服のせいで上手に弾けなかった・・・なんて事にならないように今から慣れておいたほうが良いでしょう。

お子様の場合は特に、ちょっとしたことで左右されます。せっかくの晴れ舞台ですから、万全の準備をして臨んでほしいと思います。皆さん上手に弾かれていますが、本番当日までは気を抜かず、最高の演奏ができるようにしていきましょう。
音楽の世界においての「耳コピ」という言葉をご存知でしょうか?耳で聴いたものを再現して演奏する技術のことです。耳コピができる人は、楽譜が読めなくても演奏することができます。

ある意味、耳コピができる人はすごいと思います。しかし神田ピアノ教室は、耳コピでピアノが弾けるように指導する教室ではありません。楽譜を自分の力で読めるように指導していますので、どんなに小さな生徒さんでも読譜力がつくように指導しています。楽譜を自分の力で読めるようにする為には、ドレミを覚えたり音符の長さを覚えたりする必要があります。ですから、私は安易にお手本を弾くことはしません。お手本を弾いてしまうと、生徒さんはすぐに耳コピをしてしまうからです。

耳コピの力は、お子様ほど発揮します。何回か演奏を聴いているうちに、何となく弾けるようになってしまいます。お家の練習でお願いしたいことは、保護者の方がお子様の練習曲を弾いたり、間違った音の正解を安易に言ってしまったりすることをやめて欲しいということです。簡単に手に入れた解答では上達はしません。自分で正解を導き出すことが大切です。

さっさと解答を提示した方が楽なのですが、お子様の上達の為には保護者の方の忍耐も必要です。これはピアノ学習だけに限ったことではないと思います。自分で悩み、学習したことは力になります。一緒に見守っていきましょう。
最近の気温は暑くなったり寒くなったりして、季節が進んだり戻ったりしています。明日からはまた寒くなるようなことを言っていましたので、金曜日に行われる小学校の卒業式は寒いかもしれませんね。

今日、卒業式の伴奏のレッスンをしていて、生徒さんとの何気ない会話のやり取りから気がついたことがあります。ピアノは指先が冷た過ぎると、思うように弾けません。冬に行われるコンクールや発表会に出演する場合でも、あの使い捨てカイロは必需品です。卒業式が行われる学校の体育館は特に寒いですから、ピアノ伴奏をする生徒さんは、カイロを必ず持っていくようにしましょう。

当日の寒さ加減にもよりますが、体が冷えてしまっても大変ですから、お腹や背中に貼るカイロを貼っていくのも良いと思います。二日後のことですから、該当する生徒さんには連絡を入れさせてもらいましたが、冬の時期に演奏をする場合の注意事項として覚えておくと良いでしょう。当日、最高の演奏ができることを祈っています。
近隣の小学校では今日、終業式だったようです。いよいよ待ちに待った春休みがやってきましたね。

春休みは短い休みですが、お出かけにも良い季節だと思います。様々な経験を通して、ピアノ演奏にも深みが増すといいなって思います。いつも言っていますが、遊びのみ、勉強のみ、ピアノのみ・・・といった具合に片寄ってしまうと辛くなってしまいます。勉強が忙しい生徒さんも、適度に息抜きをしながら頑張っていきましょう。ピアノを息抜きに考えてもらっても良いですよ。

神田ピアノ教室も、残りの3月は春休みをいただきます。次のレッスンは4月に入ってからですので、出席カードやレッスンノートを確認していただき、間違いのないようお願いします。生徒さん本人にも「お休みですよ〜」と声をかけさせていただきましたので、確認をしてくださると助かります。あまりサボりすぎないように練習はしてきてくださいね。4月のレッスンを楽しみにしています。