
2020年を迎えました。今年もどうぞよろしくお願い致します。昨年の7月から始めたマスターカード。2019年は6ヶ月間での集計となりますが、生徒の皆さんの
集計結果が出ましたので発表させていただきます。
1番進んだ生徒さんは176曲をマスターした未就学児の生徒さん。初めてのピアノレッスンで、ドの音からの
レッスンでした。指をスムーズに動かす練習もやっています。2番目の生徒さんは121曲をマスターした大人の生徒さんです。小さい頃にピアノを学ばれていた
そうですが、ピアノが大好きで、クラシックの曲を素敵に演奏したいとのことで再スタートされたお母様です。お子さんのお世話(赤ちゃんもいらっしゃるの
ですよ)も大変な中、毎回多くの曲を練習してくださっています。本当に練習熱心な生徒さんです。3番目の生徒さんは幼児教育科への進学が決まった高校生の
生徒さんで、51曲をマスターしてくれました。幼稚園や保育園の先生を目指してレッスンをスタートされた生徒さんで、最初の頃は思うように指が動かな
かったのですが、今はかなり上達されました。将来の目標がはっきりしていることもあって、やはり練習熱心です。皆さんそれぞれに大変な環境の中、練習を
頑張ってくださったのだと思います。上位3名の中には小学生の生徒さんが入っていないので、小学生の生徒さんの中での1番の生徒さんをご紹介します。
小学生の生徒さんの中でのトップは、37曲をマスターした2年生の生徒さんです。全体では惜しくも4番目でした。保護者の方の見守り練習の成果もあって、ぐん
ぐん上達されています。できない箇所の練習は、コツコツと地道に努力を重ねる生徒さんです。
今回は半年での集計となったので、思うように
進まなかった生徒さんもいらっしゃると思います。2020年は1月から12月までの1年間での集計ですから、また気持ちも新たに練習に励んでほしいと思います。
50曲・100曲の節目で、「がんばったBOX」から持ち帰ることができますから、まずは50曲を目指して進んでいくと良いですね。
今年のレッスンも
6日からスタートしています。早速、6日のレッスンの生徒さんにはマスターカードを配布しました。中学生以上の生徒さんたちは、曲が難しくなったり長く
なったりして、50曲も進まない場合もあると思います。マスターカードの配布は希望者だけですから、頑張ってみようと思う生徒さんは是非、チャレンジして
みてください。今年も成長するレッスンを目指して進めていきたいと思っています。楽しく進めていければよいのですが、楽しいことばかりでもないと思います。
時には厳しいことを伝えることもあると思いますが、しっかり学んで成長できるように頑張っていきましょう。

2月・3月のステップに参加される生徒さんたちの、本格的な仕上げのレッスンに入りました。1月はお正月もありレッスン回数が取れないので、2月の
ステップに参加される生徒さんたちには、時間があまりありません。通常のレッスンよりも更に踏み込んでの曲の仕上がりになっていきますので、
1つ1つの注意事項を確実に直していってほしいと思います。
ある程度の学習が進んでいる生徒さんで、高学年以上の生徒さんにお願いしたいのは、
「もっと自分の音に対して神経質になってほしい」ということ。これは、ステップに参加する・しないに関わらず注意することですが、自分の出した
音を聴いてほしい・どのように演奏したいのかを考えてほしいと言うこと。よく「自分の音を聴いてごらん、よく聴いて」と、注意をしますが、それは、
ボーッとただ聴いていることを指しているわけではありません。自分の演奏がバランスよくできていたのか、乱暴な弾き方になっていないか、など、細かい
部分を聴いてほしいのです。これらのことは、同じようにステップに参加される生徒さんでも、低学年の生徒さんには注意をしないことでもあります。
何故かと言うと、音やリズムを学習中の生徒さんたちへは、まずは楽譜通りに正しく弾くことが優先されるからです。基本的なことを学んで、その上を
学習している生徒さんだからこその注意事項でもあるわけです。
具体的にはどのようなことに注意したら良いのかと言うと、例えば、ドスン!と
フレーズの最後の音を弾かない、クレッシェンドの初めは優しく弾き始める、同じようなスタッカートでの音の連なりは粒をきちんと揃える、
フレーズの中の、ある音だけを強く弾いてしまわない、和音の音は1番上の音を響かせる・・・・などなど、本当に音のことを考えていないとできない弾き方
です。ですから「神経質に
なって」という言い方になってしまうのですが、バーナムなどのテクニック教材を疎かに練習していると、曲の仕上がりに差が出てきます。
簡単に書いてあるバーナムの教材ですが、あの短い曲の中に、気をつけることが盛り込んである重要な教材です。1つ1つの弾き方をマスターして、曲の練習に
応用していきましょう。
このように様々なことを考えながら演奏していくと、1曲を弾くだけでもかなり疲れてくるはず。バーナムの8小節の
曲のレッスンで、音の粒を追求したレッスンをしたところ、ある生徒さんは「疲れた〜」とこぼしていました。慣れない間は相当疲れると思います。
しかし、その弾き方が自分のものになって定着するようになると、自然とできるようになります。そうなってしまえばこっちのもの。自然に素敵な弾き方が
できるようになるまで、「神経質練習」を取り入れていきましょう。

小学生以下の生徒のみなさんには、「2020年の100曲マスターカード」とともに、「おんがくかるた表」をお渡ししています。クリスマス会の最後に
お試しでやったものなので、小学生の生徒さんたちはご存知のはず。2020年のクリスマス会では、本格的に「かるた大会」をやってみてもいいかなぁ・・・
と思っていますが、かるた大会をする・しないに関係なく、ピアノを学習する上では楽語や記号は必要なもの。基本的なものは頭の中に入れておかないと、
楽譜通りの演奏ができません。どうせなら楽しく覚えていきましょう。
おんがくかるたの中身ですが、音符の長さや休符の長さ、スタッカート・
アクセント、アレグロ・アンダンテ・・・などなど、基本的な記号から主だった速度表示まで、50枚のかるたになっています。「おんがくかるた表」には、
それぞれの意味が書いてありますので、1日に1回通して読んだり、そんなに時間が取れない生徒さんは1日に10個程度を読むなど、工夫をして覚えていくよう
にしてみるとよいでしょう。何事もコツコツが大切です。一度にたくさん覚えようとするのではなく、少しずつ毎日の積み重ねで覚えていくとよいと
思います。自分の机の前や壁に貼っておくのもよいですね。
さて、この「おんがくかるた」ですが、取り寄せることもできます。教室には1セット
置いてありますので、興味のある方はご覧になってください。価格は1200円と消費税です。家族で、楽しみながらかるた遊びをしてみるのもよいかもしれません。
遊びの中に、上手に学習を取り入れていく方法はオススメです。

初級レベルの最後やブルグミュラーなど、中級以上の学習に進んでくると、自分の思ったように曲が弾けなくなることがあります。それは、学習が進んできて
曲が難しくなってきた為です。曲が難しくなってスルスルと弾けない状態なのに、両手で通しの練習を繰り返していても上手にはなりません。曲が難しく
なった分、今までと違う練習方法を取り入れることが必要です。
例えば、いつも同じ箇所でつっかえたり止まったりする場合は、その部分だけを
取り出しての「部分練習」が、上手に弾くことができる早道。上手に弾けるところと上手に弾けないところの練習を、同じ回数だけ練習していても、上手な
ところはさらに上手になりますが、上手でないところはそれなりにしか弾けないでしょう。まずは、弾けない部分を上手に弾けるようにすることが先決です。
上手・上手でないところの差を、まずは無くすことに専念しましょう。
全曲を通して(例えば1小節づつつっかえ弾きをしている場合など)
音楽にまとまりがない場合は、両手での練習をやめて、片手練習に切り替えることも大切です。片手で弾いてみたときに、本当に上手に弾けているでしょう
か?大抵の場合は、片手でも上手に弾けていないはず。片手練習を極めてから両手練習に進むと、曲は早くに仕上がります。弾けていない右手と弾けていない
左手を合わせても、やはり弾けていません。片手練習を極めてから両手練習に進むとよいでしょう。
日頃の学校生活や部活などで忙しくて、ピアノ
の練習が滞ってしまう時も、無理に両手で弾いてこなくても構いません。進度はゆっくりになってしまいますが、片手で最後まで練習をする、もしくは、
音楽のまとまりのあるところまでの練習をする、など細かくわけて練習をする方が、結局は曲の仕上がりは早いです。間違いながらダラダラと最後まで練習
をするのではなく、正しいものを指に覚えさせて少しづつ練習に取り掛かりましょう。何度も間違っていると、間違ったものを指が覚えてしまいますので、
正しく直すのに時間がかかってしまいます。ゆっくりであっても、確実に正しいものを練習するようにしましょう。
なかなか上手に弾けなく
なったということは、それだけ難しい曲に挑戦しているということ。それは、上達している証しです。できないからと悲観するのではなく、ゆっくり丁寧な
読譜を行って、さらに上達できるよう進んでいきましょう。

高校生の生徒さんがイ短調の音階練習に挑戦中です。イ短調というと調号的にはシャープもフラットもつかないのですが、臨時記号でソのシャープがついたり、
音階の種類によってはファにもシャープがつきます。1番簡単なハ長調の音階を練習する場合でも、5本の指で音階を弾くとなると、指変えの時にスムーズに
指が動かないと綺麗な音階にはなりません。それがシャープやフラットなど黒鍵が出てくると、余計に弾けなくなってしまいます。
音階練習で
まず必要なのは、指トンネルがきちんと作れているかどうか。写真のように綺麗な指トンネルが作れていることが大切です。いつも玉紐を掴んでいる指先で、
鍵盤を押しているかどうかをまず確認しましょう。トンネルが作れていることが確認できたら、トンネルの中を通る親指の動きに注目です。音階練習では、
指トンネルの中を親指が通って指変えになります。その親指がスッとスムーズにトンネルの中を通れているかを確認します。親指の動きが悪いと、流れるよう
な音の響きにはなりません。音階がスムーズに流れていないようでしたら、指トンネルを固定しておいて、親指の「行ったり来たり運動」を繰り返し行うと
よいでしょう。音階練習では、親指のスムーズな動きが綺麗に弾ける鍵となります。
音階練習において、もう1つ守って欲しいことは、指変えをする
時に腕をにょきにょきと動かさないこと。音階に限らずですが、ピアノを演奏する時には腕は鍵盤に対して垂直の状態でなければなりません。腕があっち
に向いたりこっちに向いたりすることのないようにしましょう。手の甲を激しく動かすことも厳禁です。そうならない為には親指のスムーズな動きが必要に
なってくるのです。結局は、スッと通る親指を作ることで綺麗な音階が弾けるようになってきます。
つっかえたり止まってしまう場合には、必ず
何かしらの原因があるはず。高校生の生徒さんは、指変えの時の親指の動きが悪かったためにスムーズに弾けないでいました。そんな時はちょっと立ち止まって、
その部分だけを取り出して練習をしましょう。親指の「行ったり来たり運動」を取り入れて、親指の動きに意識を向けて練習するとよいでしょう。何がどうなって
弾けないのかを意識をする、その上で部分練習を取り入れる、地道な練習が実を結びます。丁寧な練習を目指しましょう。

モーツアルトの「トルコ行進曲」を練習中だった高校生の生徒さん。冬休み明け最初のレッスンで、上手に仕上げてきてくれました。実はこの曲はピアノソナタ
第11番の第3楽章なのですが、この3楽章が有名であるために単独で演奏されることも多い曲です。この曲の左手の伴奏は、トルコ軍の楽隊の打楽器を表していると
言われています。伴奏ではありますが、左手の音の響きも感じなくてはいけない曲です。
さて、「トルコ行進曲」が仕上がったので、次の曲を
どうするか生徒さんと迷いました。この生徒さんは、ブルグミュラー、ソナチネと進んできて、今はソナタレベルを学習中です。小学校の時から現在の高校
まで学校では活躍されている生徒さん。せっかくここまで進んできたので、自分の弾きたい曲やよく知られている有名曲を練習していくのもいいかも・・・と
いうことで、ベートーヴェンの「月光の曲」、今回の「トルコ行進曲」と進んできました。さぁ、次はどうする?私から提案したのは、ロマン期の曲の
練習でした。ロマン期の作曲家には、ショパン、シューマン、メンデルスゾーン・・・などの作曲家がいます。このあたりの曲は、かなりの腕前がなければ
弾きこなすことができない難しい曲です。
西洋音楽は4つの時代区分に分けられているのをご存知でしょうか?バロック・古典・ロマン・
近現代の4つになります。バロックの作曲家にはバッハやヘンデルがいます。音楽の特徴としては、たくさんのメロディーで構成されていて、伴奏とメロ
ディーという風にはわかれていません。全てがメロディーになるので、どの音も大事。ベートーヴェンやモーツアルトは古典期の作曲家です。この時代の
曲は伴奏とメロディーにわかれていることが特徴です。皆さんが日頃練習している曲も伴奏とメロディーにわかれていますよね。ロマン期の作曲家は先に
記した通りですが、この時代の音楽は、感情や情景を表現した音楽になります。声に出して歌えるような綺麗なメロディーだったり、長いレガートで
繋がれたようなメロディーが特徴です。最後は近現代。作曲家にはギロック、バルトーク、
ガーシュイン、日本人の武満徹もいます。シンセサイザーなどの電子楽器で演奏されたりして、何でもあり?の自由な音楽?です。特にバルトークなどの
作曲家の音楽は強烈で個性的です。
私からロマン期の作曲家の作品をいくつか提案した後、生徒さんが選んだ曲は、ショパンの「子犬のワルツ」
でした。この曲は、可愛い子犬が自分の尻尾を追いかけて、くるくると回っている様子から作曲されたと言われています。軽やかに美しく演奏する
ことが求められる「子犬のワルツ」です。どんな演奏になるのか、来週が今からとても楽しみです。

初級レベルの学習が終了すると、中級レベルのブルグミュラーに進むことになります。ブルグミュラーに進まず、ポピュラーな曲を選択する生徒さんも
いらっしゃいます。初級が終了すれば、その後に進むテキストは様々な選択ができるようになります。初級の段階で基礎的なことを学び終えるので、極端に
難しい曲でなければ、読譜力は十分についているはず。自分の目標や好みに合わせて、学習するテキストを選ぶと良いでしょう。
ただ大抵の生徒さん
は、迷わずブルグミュラーへ進まれます。ブルグミュラー25の練習曲の中には、「アラベスク」「牧歌」「バラード」など有名な曲も多く、親しみやすく
取り組める教材になっているからでしょう。ブルグミュラーへ進まれる生徒さんには、写真のように2冊の楽譜の中からどちらか一方を選んでもらいます。
左は昔からあるオーソドックスなもの。昔はこの手の楽譜しかなかったので、小さな生徒さんでもこの楽譜で学習を進めてきました。中の楽譜の大きさは
かなり小さく見にくいかもしれません。右の楽譜は「こどもの〜」が書いてある通り、音符の大きさも大きく、曲のイメージができやすいように解説に
写真が載っています。中身の楽譜についてはどちらを選んでも全く同じ。音符の大きさ、写真ある・なし が違ってきます。ブルグミュラーの
曲のレッスンでは、表現力を重視します。演奏する曲のイメージ通りに演奏ができているか、どんな情景を浮かべながら演奏しているのかがはっきりして
いないと、曲がブレてしまいます。
小さくしてブルグミュラーの練習に入られる生徒さんには、有無を言わさないで「こどもの〜」の楽譜を
オススメします。楽語などの意味も書いてあり、音符の大きさも大きく、何より曲のイメージが掴みやすいのでストレスなく練習が進められるでしょう。
大人の生徒さんでも、敢えて「こどもの〜」の楽譜を選ばれる生徒さんもいらっしゃいます。教室には2冊の楽譜がありますので、実際に中身を見て
決められると良いと思います。表現力を養う重要な位置付けのブルグミュラー。ちなみにブルグミュラーはロマン期の作曲家。感情や情景を音楽に乗せて
表現しています。だからこそ耳に残る有名な曲が多く、人気もあるのでしょう。素敵に表現できるようにしていきたいですね。

16分音符の速いリズムを練習中の生徒さん。右手と左手の音がちょっとずれています。ずれていると言うことは同時に弾けていないと言うこと。演奏を
聴いていると、ツルンっと左手の音が滑っています。左手の音がツルンと滑ることによって、右手の音と合わなくなっているようです。では何故、こういう
ことが起こるのでしょうか?
16分音符などの一瞬の速い音符であっても、その一瞬は鍵盤に指が乗っている時間があるはずです。その際、
しっかりと指が鍵盤の上で踏ん張っていない為、滑ってしまうのです。ピアノを弾くときには肩や腕には力を入れませんが、鍵盤に触れている指先には
身体の重みをのせます。その重みを支えられる指が必要になってきます。そうでなければ指がふにゃっとしてしまい、支えられなくて滑ってしまうのです。
要は、鍵盤の上で踏ん張ることのできる指作りが重要になってくるのです。特に4番の指は、5本の指の中でも1番弱い指です。利き手と利き手でない手では、
利き手でない方の手が弱い傾向にあります。自分の弱い指、弱い手を意識しながら練習をしていくとよいでしょう。
しっかりした指を作るため
には、繰り返し何度も何度も練習をして鍛えていけばよいのですが、闇雲に弾いていても効果的ではありません。ペチャンコ指ではなく、指先だけで鍵盤に
触れるようにしましょう。力任せに弾いてしまうと第一関節が凹んでしまいますから、第一関節は潰さないように、凹ませないように注意します。速く弾く
曲でも、最初は慌てずゆっくりと丁寧に、自分の指の状態を見ながら練習しましょう。慣れてきて上手になってきたら、少しずつ速くしていくと、
無理なく練習ができると思います。
踏ん張る指を作る訓練は、ピアノに向かわなくても、ダイニングなどのテーブルや机でも行うことができます。
ピアノを弾く時と同じ要領をテーブルでやるだけ。手の形に注意をしながら、指先を1本づつ順番に動かしていきましょう。もちろん第一関節にも注意が
必要です。凹まないように。ピアノと違ってテーブルが下に下がらない(鍵盤が下がらない)ので、ピアノで練習するよりは幾分やり易いと思います。
手の理想的な形は、第三関節がしっかりと出ている状態です。きれいなアーチを作りましょう。自分の指の力だけで演奏するピアノには、やはりしっかり
とした指が必要です。踏ん張れる指を作って、豊かな音が出せるようにしていきたいですね。

練習曲の楽譜の中には、曲の途中で同じ音の連打が入っている場合があります。単音(1つの音)で連打をしているものもあれば、和音になって連打をしている
ものもあります。写真の楽譜では、2段目の1~2小節目の左手に同じ音の連打があります。この曲では和音になっています。同じ音の連打では、気をつけて
欲しいことがあります。
この曲のように、ある部分だけが連打になっている場合は特にそうですが、その部分だけを速く弾いてしまいがち。この
曲を練習してくれている生徒さんもそうで、曲の最初から落ち着いて弾いていたのに、この左手だけを チャチャチャ と速く弾いてしまいました。何故そういう
ことになるかというと、同じ音を続けて弾くわけですから、簡単に次々と弾けてしまいますよね?右手・左手に音の動きがあれば、手の移動が発生するので、
動きがある分、時間を取ってしまいますが、全くの同じ音を弾く場合には手を上げて下ろせば弾けてしまいます。生徒さん自身は特別に速く弾いているつもりは
ないのですが、聴こえてくる音は速いのです。そしてまた最初の速さに戻るので、リズムが正しい曲にはなっていないと言えます。
自分自身では正しく
弾いているつもりの曲ですが、正しいのか正しくないのか、簡単に確かめる方法があります。それはズバリ「メトロノーム」に合わせること。私だってそうですし
他の生徒さんだって同じですが、みんな自分は正しく弾けていると思っています。でもそれは思っているだけで、本当に正しいのか正しくないのか、確かめる
のが1番です。頭の中では正しくリズムが取れていても、今回のように弾く速さが変わってしまったり、リズムそのものを間違って数えていたり、どちらに
しても間違いを正す必要があります。メトロノームをかけてみて、曲の最後まできちんと合わせて弾けていればOK。1拍目とメトロノームの「チン」が合って
いなければ間違っています。
レッスンでメトロノームの掛け方を学習した生徒さんは、簡単な曲でも難しい曲でも、練習中の曲を1度はメトロノームに
合わせてみましょう。いつも言っていますが、合っていればそれ以上は合わせなくても良いのです。きちんと合っていない曲は、合うようになるまでメトロ
ノーム練習をしましょう。右手・左手に動きのある曲を弾いている生徒さんは、メトロノーム練習は必須です。レッスン中に、リズムの間違いを指摘されて
いる生徒さんは特に、メトロノームに合わせておくと、リズムの間違いを注意されなくてすみます。自分で気がつくことができる間違いは、極力避けるように
しましょう。せっかくのレッスン、もっと他のことに時間を使っていきたいです。早速、メトロノーム練習をやってみてください。

写真は、ある生徒さんが練習をしている伴奏曲を、弾き始めようとしている手の写真。手は私の手で、写真は娘に撮ってもらいました。弾く曲によって
始まりの音が違いますから、その曲を弾くにはその曲の始まりの鍵盤に手を用意します。それはみんな当たり前。では、今から演奏を始めようとする、
その時、何を思っていますか?
5分も10分もじっとした時間があるわけではありません。時間にして長くても10秒くらいではないでしょうか?
この時間は心を落ち着かせる時間でもあります。椅子に座ってパッと弾き始めるのではなく、心を落ち着かせて、どんな速さで弾き始めるのか、曲の
始まりの感じはどうなのか、を考える時間です。人によって考えることや確かめることは違いますが、ドキドキしている場合だったら、最初の弾き始める前の
時間でドキドキを治めなければなりません。なんてことのないちょっとの時間ですが、とても大切な時間ですし大切に思って欲しい時間です。
小学生の生徒さんたちと行うクリスマス会での演奏でも感じるのですが、みんな慌てて弾いてしまっています。いつもの知り合いが聴いているからか、恥ずか
しいからなのか、弾き始めの音もガサツに出てきています。それは椅子に座ったらすぐに弾き始めてしまうからです。心を落ち着かせる時間がないまま
弾き始めるので、曲の中身も落ち着いていません。レッスンで通常の状態を知っている私から見れば、クリスマス会当日の演奏は、はっきり言ってとても
下手です。曲の途中でちょっとしたミスをすると、その後の曲もガタガタになっています。余計に慌てるからでしょう。
どんな場所でも、どんな曲でも、演奏をするからには落ち着いて演奏したいもの。それはレッスン中でも変わりません。私からの「じゃぁ弾いてみて」の
言葉かけがあったなら、鍵盤に手を用意して、深呼吸をするくらいの時間は持って欲しいです。自分の音楽が始まる大切な第一音目、綺麗な響きの音で弾き始めま
しょう。

年も明けて卒業の時期が近くなってきました。小学生の生徒さんたちは連日、「6年生を送る会」や「卒業式」での合奏曲の楽譜を持ってくるようになりまし
た。オーデションが行われる楽器もありますし、人数の関係でオーデションはなく本決まりになる生徒さんもいます。楽譜を持ってくる生徒さんに共通して
言えることは「わからない」「できない」と言ってくること。どうしてそんなことになるのでしょうか?
ピアノを習い始めて間がない低学年の
生徒さんならわかります。何年もピアノを習っていて高学年になっているのに「わからない」「できない」はおかしくないですか?そんな生徒さんの演奏を
聴いてみると、音は読めるにしてもリズムが全くのデタラメ。一体、何拍子の曲を弾いているの? と言いたくなるくらい酷い場合もあります。きちんと
リズムが取れていないのです。ピアノ学習では最初の段階で、曲を声に出して数えながら弾くように指導します。みんな最初はできていたのです。いつの間にか
数えながら弾くことをやめて、あやふやなまま弾くようになり、挙げ句の果てに自分ではどうやって弾いていいのかわからなくなっている・・・・う〜ん、
これは問題です。やっぱり数えながら弾くことって大切。自分で正しいリズム取りができないと、いつまでたっても誰かに教えてもらいながらでないと弾く
ことができません。別に私が一生、教えてもいいのですけど(笑)自分で好きな音楽を楽しめるようにするには、リズムを正しく刻むこと、これは必須です。
「わからない」「できない」と丸投げをするのではなく、まずは楽譜を見て考えてみましょう。私もピアノを教えている先生ですから、生徒さんから
「わからない」と言われれば教えます。生徒さんも最初から教えてもらう方が楽です。でも、本当にそれでいいの?考えることを諦めないで欲しいです。
パッとわからないものを考えることは、確かに面倒。でも、習ってきたことだから考えたらできるはず。今からでも遅くありません。楽譜に向き合うことから
逃げないで欲しいと思います。

1月に入り、ピアノのレッスンも2回ほど終了しました。2020年も100曲マスターカードに挑戦してもらっています。スタンプは順調に押せていますか?
既に10曲の練習が終了した生徒さんも。慌てることはありませんが、宿題の曲は合格していくようにしましょう。
強制はしていませんが、2020
年のマスターカードに、可愛らしく表紙を作ってくださった生徒さんもいらっしゃいます。なんて事のない印刷した用紙ですが、表紙を作ってくださると、
大切にしてもらっているのだと感じ取れて嬉しいです。レッスンバッグの中からぐちゃぐちゃになったマスターカードを取り出してくる生徒さんもいらっ
しゃるので、せめてファイルに入れるなど、何らかの対応はして欲しいかな。
昨年は7月からのスタートでしたので、50曲にも満たない生徒さん
が多かったのですが、今年は100曲まではいかなくても、50曲はマスターできるようにしていきましょう。練習曲も1曲が長い曲になると、なかなか
短期間で合格することが難しくなってきます。それでも毎日のコツコツ練習で、前に進んで欲しいと思います。もちろん、未就学児さんや低学年の生徒さん
たちにはどんどん進んでもらって、100曲、200曲・・・と達成してくれたら嬉しいです。低学年の間に読譜力をつけて、表現力を養うレッスンに進めて
いきたいと思っています。たくさん練習して、スタンプを押していってくださいね〜。

こちらの楽譜、初級レベルが終わりに差し掛かっている生徒さんのもの。この左手、どう弾く?小学4年生の生徒さんですが、もうすぐブルグミュラーに
入るところまで進んでいる努力家の生徒さんです。ずっとタイで伸ばしていても間違いですし、2小節目の2音の和音を弾いてしまっても間違いです。
生徒さんも、ああでもない、こうでもない、と弾いていましたが、一向に私からのOKが出ません。
どの生徒さんにも同じことが言えるのですが、
私は安易に答えを教えません。「楽譜をよ〜く見てごらん」と言うだけ。だって自分でわかった方がいいじゃない?答えは楽譜の中にありますから・・・。
楽譜をよ〜く見てみると、上の音は同じ音ですが下の音は違っていることに気がつくはず。タイもスラーも記号的には一緒ですが、タイは同じ音に
結ばれる記号。スラーは綺麗に弾く印で、スラーで囲まれている中の音は切らずに綺麗に弾きます。スラーのイメージはたくさんの音にかかっているもの、
と思われがちですが、2音であっても音が違っていればスラーになります。ですからこの部分の弾き方は、上の音はタイなので弾かずにのばしたまま
ですが、下の音は音が違っているので弾きなおさなければいけません。それも綺麗に音をつなげてです。
このように「ひっかけ問題」のような
楽譜は、これから先いくらでも出てきます。パッと見ただけではタイで伸ばしたままに弾いてしまいがち。でもよ〜く見ると違う。やはり楽譜はよ〜く
見ることが大切です。ただこの楽譜を見ていると、指番号が4→5に変わっていることにも気がつきます。そのことに気がつくと、音が違っているということ
が推測できます。曲を正しく弾くヒントは楽譜の中にしかありませんから、楽譜を見るときには音やリズムだけでなく、指番号にも気をつけて欲しいです。
教室の生徒さんの中には、指番号を適当に弾いてしまう生徒さんが多いです。1度に全てのことを見て、最初から正しく練習するようにしましょう。
あとから間違いを正すことは、時間も労力も無駄になってしまいます。楽譜はよ〜く見て練習に励みましょう。

中学・高校に入ると行われる合唱コンクール。指揮者やピアノ伴奏者にとっては、花形の舞台です。それだけに当日の重責も半端ないです。特にピアノ伴奏者は、
音を外したりつっかかったりするとよく目立ちますから、緊張も大きいですね。ある中学校の合唱コンクールのDVDを見させていただいた感想を記したいと
思います。日頃の練習でも気をつけると、さらに良い演奏になると思います。
毎年感じるのですが、指揮者を見ていない伴奏者が多いこと多いこと。
DVDの映像を見ながら合唱を聴いているとわかりにくいかもしれません。DVDから少し離れて音だけを純粋に聴いてみると、合唱とピアノの伴奏がズレて
いることがよくわかります。これは、伴奏者が指揮を見ていないから。歌い手は前を向いていますから、嫌でも(笑)指揮者を見てしまいます。ですから、
歌が指揮者とズレているということはありません。ピアノ伴奏者は、音を外さないためにも鍵盤を見て演奏します。指揮者は少し離れたところにいるので、
自分の意思で指揮者を見なければ見えることはありません。やはり適度に指揮者を見ないと、伴奏が独りよがりになってしまうのでズレてしまいます。
これが伴奏者の怖いところ。ソロではないのですから、伴奏をする人は指揮者を見るようにしましょう。
合唱コンクールのような大きなホール
での演奏は、レッスン室や自宅、音楽室で演奏する場合と違って、音の伸びも響きもかなり良いです。大きな音は大きく響きますが、小さな音もいつもよりも
大きく響いてしまいます。日頃から強弱の差を意識した演奏をしなければ、全曲を通して大きな音で演奏しているように聴こえてしまうのです。実際、今回の
DVDでも、本当に小さく弾いているのだろうか? と思うような演奏もありました。合唱よりもピアノの音が大きいのはNGです。強弱をつけて演奏することは、
日頃のレッスンでも意識をしてほしいことです。中でも小さな音で演奏するときは、かなりの注意が必要です。大きな音は比較的出しやすいですが、小さな
音は大きくなってしまってもいけませんし、意識をしすぎて音が出なくなってもいけないからです。細心の注意が必要な小さな音。どのように指を持って
いったら綺麗な小さな音が出るのか、何度も自分で試行錯誤することで、綺麗な小さな音が出せるようになります。音の響きを意識した練習を重ねるように
しましょう。
今回は合唱コンクールのDVDを見ての感想でしたが、ステップなどのホール演奏でも同じことが言えます。メロディーよりも伴奏の
方が大きく響いてしまったり、強弱の差があまり感じられない演奏だったりが見受けられます。自分では上手に表現しているつもりでも、聴いている人には
伝わらない場合があります。強弱の差などは、ちょっとの差では伝わりません。大げさにやってちょうどよいのです。自分の演奏を他の人に聴いてもらったり
録音するなどして確かめてみましょう。「やっているつもり」の演奏に満足しないで。
ある中学生の生徒さんから、3月からのレッスン曜日と時間変更の申し出がありました。4月になれば、進学・進級を迎え、学校の時間割も変わって
くることと思います。小学生の生徒さんは、学年が上がるにつれて5時間授業、6時間授業が増えていきます。来年度の時間割がどのようになるのか今は
わかっていなくても、今現在のレッスン時間では無理が生じるようでしたら、早めに連絡だけでも入れていただけると助かります。
学校だけでは
なく、特に学習塾に通われている生徒さんは、学年が上がれば学習塾の曜日や時間が変わるかと思います。学習塾は年度の始まりが4月ではなく、2月・3月
のことが多いので、学習塾の予定がわかった段階で、連絡を入れて欲しいです。冒頭の生徒さんも、3月からの学習塾の曜日変更があるために申し出てくれ
ました。変更は3月からですが、早めに教えていただいたことで、こちらの予定も立てやすく、また考える時間もあるのでスムーズに移行することが
できます。「早すぎる」ということはありませんから、レッスン曜日の変更や時間変更が必要になりそうならば、一言添えてくださると嬉しいです。
また、様々な理由でピアノのレッスンを続けることが難しくなる場合もあると思います。教室の規約にも書いてありますが、レッスンを終了
する場合は、1ヶ月前までに申し出ることになっています。例えば1月中に申し出があった場合は、レッスンは2月までとなります。時々、「今日で
やめます」とあまりに突然に言われることもありますが、そのような場合も次の月のお月謝が発生します。なぜ、1ヶ月前までに申し出て欲しいのかと
言うと、曲を途中で終わらせたくないと言う気持ちがあります。あまりに中途半端な形では終了したくないので、ある程度の曲の完成を見て終了したい
と思うからです。教室生の皆様に「神田ピアノ教室 規約」をお渡ししていますので、1度、目を通していただけると助かります。お手元にないようでしたら
申し出てくださればお渡しします。ご縁があってレッスンをしてきましたから、最後までお互いに気持ちよく過ごしたいと思います。ご了承ください。

中学2年生の生徒さんが突然に「大地讃頌」の伴奏譜を持ってこられました。「大地讃頌」は合唱コンクールでの定番曲ですが、中学3年生で歌われることが
多い曲。卒業式でも卒業生が歌うことで有名な曲です。昔からの定番曲なので、ご存知の方も多いと思います。それが何故、今頃に?生徒さんの話によると、
学校の音楽の先生から「練習しておいて」と言われたとのこと。私の頭の中は???がいっぱい。なんで?どうして?
楽譜を持ってきてくれた生徒さん
は中学2年生のピアノ男子。「一体どうしたの?」の問いにも「わからない」「いつまでに仕上げるの?」にも「わからない」。ここが男の子の怖いところ。
女の子と違って(って言うと女の子が悪いように聞こえますが、そうではありません)、あまり深く聞いてこないのは男の子に多いです。我が家でも実証済み。
知らない間に引き受けていたり、中身がわからないまま返事をしてきたり・・・まぁ、本人が了承しているのなら良いのですけど・・・・。こうして、
「大地讃頌」のレッスンが始まりました。この曲は荘厳な重みのある曲で、綺麗な〜と言うよりは深い曲です。伴奏譜はシャープが5つもある伴奏者泣かせの
曲でもあります。譜読みにも時間がかかりますが、3和音、4和音で音が連なっているので、指の持って行き方によって弾ける・弾けないが分かれる曲です。
取り敢えず、指使いについては私のやりやすい指使いを伝授しますが、手の大きさや指の長さは人それぞれなので、音を見ると同時に、生徒さんに合わせた
指番号を決めるところからスタートします。それくらい指使いに気を使う曲です。
今回、なぜ、学校の音楽の先生に指名されて練習をすることに
なったのか、私なりに考えてみました。この生徒さん、合唱コンクールでは常連の伴奏者で、伴奏者賞を取るほどの腕前です。ついこの間は、学校の社会の
先生に指名されて、違う曲の伴奏譜を練習していました。なぜ社会の先生?社会の先生は、学年主任だそう。そして今回は音楽の先生からの指名。そう、
この生徒さん、ピアノの腕を学校で買われているのだと思います。こちらの学校では、3年生の合唱コンクールの課題曲は「大地讃頌」なので、きっと伴奏者に
指名されるのではないかなぁと思います。先生からの伴奏者の指名は珍しいことでもなく、我が家の子供達が通った中学でも、伴奏者は音楽の先生の指名
でした。小学校からの申し送りで、ピアノが弾ける・弾けない、が学校側には伝わっています。ですから、1年生の時から指名されたのだと思います。
中学3年生での伴奏は、受験勉強とも重なってくるために、かなりの負担になります。今から練習をすることで、負担を軽くする目的もあるのかなぁ
と思うと、学校側の配慮ともとれます。それとも、課題曲・自由曲の2曲の伴奏を見越して、まずは1曲目の練習ってこと?毎日、小さな頭でひとり考えて
いるのですが、学校の先生の意図はわかりません。余計に???です。ただ生徒さんは部活や学習塾で忙しいにも拘わらず、一生懸命です。だったら、誰よりも
上手に弾いてもらいたい。これから長く厳しい(?)「大地讃頌」のレッスンが始まります。
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ぴあのどりーむ5を学習中の、小学校の低学年の生徒さん。宿題の曲をあまりに上手に練習してきてくれたので、低学年の生徒さんには難しいと思ったの
ですが、弾き方の提案をさせてもらいました。スラーの最後の音を切ることは皆さんご存知だと思うのですが、そのスラーの最後の音はやさしく
弾くことが常識です。スラーの最後の音を大きな音で弾いてしまうと、曲は綺麗に聴こえません。乱暴な曲になってしまいます。より綺麗に聴かせる演奏、
それこそが表現力です。
同じ曲を聴いていても、演奏する人によって「上手」だったり、「う〜ん」と感じる演奏だったりしませんか?同じ
曲なのに、何が違うのでしょう?上手な人とそうでない人との大きな違いは、ズバリ「表現力」の違いです。音も正しく、リズムも正しく演奏しているのに、
なんだか違って聴こえるのは、表現力があるかないか。冒頭で記したスラーの切り方ひとつとっても、聴こえてくる曲は大きく違ってきます。強弱のつけ方に
しても、他の人に差がわかってもらえるようなつけ方をしなければ、強弱をつけていないのと一緒です。
日頃のレッスンでは、ブルグミュラーの
学習に進むと、表現力を養うレッスンに入っていきます。ただ、突然にうるさく言っても急には無理なので、ブルグミュラーに入る前あたりから(どりーむの
6に入ったあたりから)指導するようにしています。ですから、それまでには音読みやリズム取りなど、基本的なことをマスターしておく必要があります。
曲がスルスル弾ける状態でなければ、表現力を養うレッスンはできないからです。音やリズムの間違いを指摘されるようなレッスンでは、それだけでレッスン
時間が過ぎてしまいます。初級が終了するまでには、音読み、リズム取り(数えながら弾くこと)がきちんとできるようにしておきましょう。
もちろん、初級レベルを学習中の生徒さんでも、今回の低学年の生徒さんのように上手にスラスラと練習ができている場合は、様々な弾き方、音の出し方を
レッスンしていきたいと思います。すぐにはできなくても、何度も何度も伝えていくことで意識をするようになります。上手になる第一歩は意識からです。
何気ない左手の伴奏も、音の粒を揃えて弾けるようになると素晴らしい曲に仕上がります。表現力を養って、他の人を魅きつけられるような演奏を目指し
ましょう。