練馬区の小・中学校は、今日から新学期が始まりました。教室には、先週から学校が始まっている高校生もいます。夏休みの宿題は終わったでしょうか?
いやいや、聞き方を間違えました。もちろん終わっていますよね?
夏休み最終日の8月31日のピアノレッスンはいつも通り行っていました。
この日レッスンの小学生のお母様から1通のメールが。「夏休みの宿題が終わっていないみたいです。ピアノレッスンを休みます」とのこと。え〜、夏休み
最終日ですよー。ピアノのレッスンに行っている時間がないくらい宿題が終わっていないって、大丈夫?と思いましたが、私に何ができるというわけでは
ありません。お母様もお勤めの方なので、なかなかお子様の宿題の進捗状況や、ましてやピアノの上達具合まで見ることができないのかもしれません。
それでも、お子様はまだ小学生。ピアノのレッスンでも、時々寂しさを口にすることもあります。やっぱり、寂しいのです。夏休みの最終日になって
慌てることのないように、宿題の進捗状況は確かめてあげてほしいなぁと思いました。高学年になってもまだまだ小学生ですから、せめて小学生の間は
学校のこと、習い事のこと、お友達のことなど生活全般のお話をしてほしいし、見守ってほしいと思います。小学生の間に子供の置かれている状況の把握
ができていると、中学生・高校生になった時には自立してくれます。小学生の間に存分に過保護になっていると、その後の手のかかりようが違うような
気がするのですが・・・。いや〜、これは経験談ですよ(笑)
どの生徒さんにもレッスンの最初に、世間話程度の声かけをするのですが、夏休みは
「宿題進んでる?」と声かけをしてきました。ある中学生の生徒さんは「進んでいます」とキッパリ言っていたので「偉いねー。お母さんが声かけてくれるの?」
と聞いたところ、言われるのが嫌だから自分から計画的に進めている・・・とのことでした。いや〜これにはあっぱれ!さすがな生徒さんもいるものですね。
またある高校生の生徒さん、夏休み最終日のレッスンだったのですが「夜中の3時半まで宿題やっていたから眠い」と言いながらやってきました。それでも
レッスンは休まずにきてくれました。学校の宿題はやるべきものだと私自身は考えているので、徹夜でも何でもやって終わらせることには賛成です。まぁ、
計画的に進めてくれれば何も言うことはないのですけど・・・。
様々な考え方があるので、どれが正しくてどれが間違っているとは判断ができま
せんが、学校のことやピアノのことなど、せめて小学生の間は、お子様に寄り添って、見守って、状況の把握をお願いしたいです。それは「やりなさい」
「やったの?」という威圧的な言葉ではなく「どう?進んでる?」「一緒に取り掛かろうか」のような見守り型の言葉のこと。ピアノであれば「ちょっと
聴かせて」というようなことです。お子様が寂しがっているかどうか、お子様の様子を見ていればわかると思います。保護者の方も忙しいと思いますが、
お子様にとって1番の理解者であってほしいと思います。短い小学生の期間、見守っていきましょう。

この春からピアノ学習を始めた生徒さんは、大人テキストでのレッスンを行なっています。お子様向けテキストと大人テキストとの1番の違いは、新しいことに
進む進度です。大人テキストは、進み方がかなり早いです。お子様テキストは、最初の方は音の1つ1つが丁寧ですが、大人テキストは最初から曲を弾いていく
ことになります。いくら初心者と言っても、大人の場合はこれまでの音楽の授業のベースがありますから、何とか弾けていきます。
ピアノ学習は
初心者で始めた中学生の生徒さん、左手の伴奏にアルペジオが出てきました。アルペジオとは、和音の構成音をバラバラに1音づつ弾く形のことを言います。
例えばドミソの音を3音一緒に(同時に)弾くことは和音。それを「ドミソドミソ」や「ドソミソドソミソ」と1音づつ弾くことをアルペジオと言います。
初期のテキスト曲の、左手の伴奏によく出てくる形です。そのアルペジオ伴奏の練習に入った中学生の生徒さん、弾いている音を聴いていると、音が重なって
聴こえてきます。アルペジオは和音とは違いますから、1音づつ交替で弾かなければなりません。きちんと交替をして弾いていない証拠です。
弾いて
いる指を見ていても、ド→ミ を弾く時にドの音を微妙に押さえたままミの音を弾いています。一度に2つの音の鍵盤を押さえていることになるので、音の
重なりが生まれてくるのです。ピアノを弾く時は、自分の指をじっと見ながら弾くわけではありませんから、自分の指が2つの音を押さえていることに気がつき
にくいかもしれません。自分の出している音、よく聴いているでしょうか?音が重なっている時の音と重なっていない時の音は、明らかに違います。レッスン
では、交替で弾いた時の響きと途中から音が重なった時の響きを聴き比べてもらっています。響きの違いがわかれば、自分が弾いた音の響きがどちらの響きに
なっているのかよくわかるはず。自分の音はよく聴くようにしなければなりません。
アルペジオの伴奏形は、音の重なりが生まれやすい伴奏形です。
特に習い始めの生徒さんにはよくあること。1本1本の指をバラバラに動かすことは、意外に難しいです。アルペジオに関わらず自分の音をよく聴くことが
大切です。きちんと音が出ているか、響きは綺麗かどうか、自分の音に興味を持ちましょう。和音ではない音を弾く時に、音の重なりが生じていないかどうかを
聴く耳を持ってほしいと思います。

ピアノの楽譜は「大譜表」と言って、2段書きの楽譜になっています。低音から高音までを扱うピアノは、1段書きの楽譜では書ききれないためです。
ピアノ学習の最初の頃の楽譜は、上の段がト音記号、下の段がヘ音記号で書かれています。小さな生徒さんには、ト音記号は右手の記号、ヘ音記号は左手の
記号であると指導しています。それは、上の段に書いてある音は右手、下の段に書いてある音は左手で演奏するため。上の段=右手、下の段=左手 これが
ピアノ楽譜の基本です。
楽譜の見方については、ピアノ学習の最初に生徒さんにはお話をしてあったと思うのですが、今回、おもしろい弾き方を
してきた生徒さん。こちらの楽譜のヘ音記号に書いてある真ん中のドの音を、右手で弾いていました。従って右手で ドミ の2つの音を同時に弾いてきた
形になっています。「最初は正しく弾いていたのだけど・・・」と言っていた生徒さん。いつの間に変わっちゃったのかな?練習している間に、右手で弾いた
方がしっくりくることを感じたのかな?真ん中のドの音は、右手でも左手でも扱う音なので、はっきり言ってどちらの手でも違和感なく弾けてしまいます。
楽譜は、弾けるか弾けないか・・・で判断するものではありません。そんなこと言ったら、この曲、むりやり右手だけで弾いても演奏できちゃいます。
弾けちゃいます。(あ〜なんて意地悪な私)基本的な楽譜の見方を通して、ピアノは練習をするようにしましょう。
私が「基本的な」と書き記すのは、
これから先、ピアノ学習が進んで難しい楽譜を見るようになると、必ずしも上の段の音が右手、下の段の音が左手、というふうに弾かない(弾けない)楽譜が
出てくるようになるからです。どう頑張ったって無理でしょ〜的な、物理的に弾けない楽譜が出てきます。じゃ、弾きやすいように書いてよ〜って言いたい
ところですが、楽譜って旋律や音楽のまとまり単位で書かれていますので、絶対に弾くことができない和音などが出てくるのです。そんな時はどうするか?
仕方ないからもう片方の手を借りるしかありません。そうなってくると、上の段=右手、下の段=左手 とは言えなくなってきます。ただ、そのような楽譜の
曲を練習するようになるのは、もうちょっと先かなぁ?それまでは、楽譜の基本的な見方、弾き方を頭の中に入れていくようにしましょう。適当弾きは、
許しませんよ〜(怖)

シャープとフラットの記号、どのように弾くのか説明ができるでしょうか?小さな生徒さんへは、シャープ・フラットは黒い鍵盤を弾く記号であると伝えて
います。が、実のところは違いますよね?大きな生徒さんであれば、正しい説明ができなければなりません。シャープは半音上がる記号、フラットは半音下がる
記号です。ですから、必ずしも黒鍵を弾くとは限りません。例えば、ミのシャープは黒鍵を弾くでしょうか?さて、どこを弾くのでしょう?
今日のお話は、シャープ・フラットと同じように臨時記号としてよく出てくる「ナチュラル」の記号についてです。写真の楽譜では、赤丸で囲んでいる2つの
記号、パッと見た感じは似ていますがこれ、違います。臨時記号は1小節毎に書き記す決まりになっていますから、この楽譜のように同じ音に似たような記号が
書いてある場合は、確かめないで「同じだ!」と思って弾いてしまいがち。でもよく見ると、記号の形がちょっと違います。ここで2つ目に出てきている記号が
「ナチュラル」です。ナチュラルは、シャープやフラットで弾いていた音を、元に戻す記号になります。シャープ・フラットがついていない音に戻す記号です。
この臨時記号に限らず、同じようなフレーズが出てくると、楽譜をきちんと確かめないで前と同じに弾いてしまう生徒さんがいらっしゃいますが、
たまたま同じ時は良いですが、ちょっと違う、今回のシャープとナチュラルのような違いの場合は、このちょっとの違いが大きな違いになってしまいます。
ちょっとの違いを見落としたことで、全く違う音になってしまいますから、楽譜はきちんと見て確認をするようにしましょう。ナチュラルは元に戻す記号
ですから、ナチュラルだけが存在するわけではありません。ナチュラルが出てくる前には必ず、シャープやフラットが出てきているはず。そうでなければ元に
戻せません。思い込みで練習するのではなく、しっかりと楽譜を見る力を養っていきましょう。

9月に入り新学期が始まっています。今年もあと4ヶ月ほど。生徒さんたちへお配りしている100曲マスターカード、スタンプは順調に押されていますか?
曲の合格毎に1つスタンプを押していくようにしています。この春からピアノ教室に通ってくださっている未就学児の生徒さんですが、既に3枚目のマスター
カードに突入している強者生徒さんもいらっしゃいます。100曲マスターカードは1月から12月までの1年間で集計をしますから、こちらもあと4ヶ月ほど。
自分のペースで構いませんから、頑張って練習に取り掛かりましょう。
1曲の練習曲が少し長くなってくる小学生の生徒さんであれば、1年間で
50曲は進みたいところ。モノで釣る・・・わけではありませんが、50曲単位で「がんばったBOX」を開けることができます。せめて1年間に50曲は進めるように
していきましょう。小学生の生徒さんの中には、既に50曲を達成した生徒さん、100曲を達成した生徒さんもいらっしゃいます。頑張っていますよ。最近は、
いろいろと楽しいものが入っている「がんばったBOX」です。BOXを開ける生徒さんにしか、どんなものが入っているのか見ることができません。さぁ、次に
BOXを開ける生徒さんは誰でしょうか?みんな、自分のペースでがんばって。

写真のような形の左手伴奏(3拍子でブン、チャ、チャ)は、綺麗に音を繋げて弾くことが難しい伴奏です。いつも「ピアノは音をブチブチ切らないで綺麗に
弾きましょう」と、伝えていますが、どうしても無理なものもあります。例えば同じ音の連打はまず無理。他には和音も綺麗に弾くことは無理です。きちんと
ピアノの音を出すためには、鍵盤から指を離して新たに弾く必要があるからです。ですから、写真の形の伴奏も音を繋げて弾くことは無理になります。
このブン、チャ、チャ・・・の形の伴奏曲を練習する時には、1つ1つの音を切って演奏するように伝えています。切ると言ってもスタッカートのように
ピョンピョン跳ねて弾くのではなく、音を繋げない程度に切って弾く弾き方です。それは何故でしょう?それは、先ほども言ったようにこの型の伴奏は、綺麗に
音を繋げて弾くことができないからです。チャ、チャの音のところでどうしても切れてしまうから。同じ音、それも和音(重音)になっていますから、綺麗には
弾けません。だったら、最初から1つ1つの音を切って弾くことで、伴奏の統一感が出てきます。
ここまでの前置きをしたところで、今回、こちらの曲の
練習に入った生徒さんに、このブン、チャ、チャ の別の弾き方の提案をしました。それは、楽譜に書き込んだように ンーチャ、チャ ンーチャ、チャと
いった具合に最初の2つの音をスラーで綺麗に弾く形です。どうしてこの曲だけ?こちらの曲、右手のメロディーに、2音を繋げて弾く形がでてきています。
右手と部分と合わせると、ちょうど同じ箇所で右手と左手が同じ弾き方になります。これはこれで1つの統一感があります。だからと言って、そうしなくては
いけない、ということではなく、このような弾き方もありますよ・・・との提案。これまでのように1つ1つの音を切った伴奏でもよし、今回のように2音の
フレーズを作った伴奏でも良いのです。決めるのは生徒さん。ただ1つ注意をして欲しいのは、自分の弾くスタイルを決めたなら、1曲を通して統一して弾く
ことが重要です。1段目は切って弾いて2段目はスラーで弾いて・・・などのように、1曲の曲の中であっちの弾き方・こっちの弾き方にならないようにします。
これだけは厳守です。
ピアノは基本的には綺麗に音を繋げて弾きます。これは変わりません。今回の伴奏の形は、綺麗に弾こうとどんなに頑張っても
弾けない形でした。楽譜通りに弾いてみた時に、どのように聴こえるのか?を意識して、弾き方を考えられるようになると良いと思います。楽譜に書かれて
いないところで、どのように弾いたら綺麗に聴こえるか、違和感のない演奏になっているか・・・など考えていけば、弾き方も変わってくると思います。
その1つに「せこわざ弾き」があります。あの弾き方も楽譜には書いてありません。綺麗に聴かせる音楽を追求した結果、生まれた弾き方です。音楽って、
ピアノって奥が深い!様々な弾き方を学習して、表現力を磨いていきましょう。

1オクターブ離れた音がスラーでつながっています。スラーは音を切らないで綺麗につなげて弾く記号です。離れた音を切らないで綺麗に弾こうと思えば、
同時に鍵盤を押さえることができる指を持っていないと弾けません。指の長さがある程度長くなければ弾けないということ。皆さんは、自分が1オクターブ
離れた音を弾くことができるのかどうか、自分の指のことを知っていますか?
手の大きさや指の長さは、体の大きさ・身長に比例して成長して
いきます。未就学児の小さな生徒さんは、身長も小さいのでオクターブの音を同時に押さえることはできません。ですが、小学生になり学年が進んでいくと、
背も伸びていきます。背が高い・低いは、それぞれの成長度合いですから、はっきりと何年生になったらオクターブが届く、とは明確に答えることが
できません。ピアノの鍵盤で試してみたら届くようになっていた・・・というのが届く・届かない の答えになってくると思います。そう、やってみなければ
わからないのです。
小さくしてピアノ学習を始めている生徒さんであれば、当然、最初の頃はオクターブが届きませんから、写真のような曲の
練習をする場合、オクターブの音を切って演奏することになります。それは仕方のないこと。物理的に無理なものは無理。生徒さんには「本当は切ってほしく
ないけれど、今は仕方がないからごめんね、の気持ちで弾いてね」とお話ししています。そうやって長い間、オクターブ練習を音を切った状態で弾いている
間に、きっと、切って弾くことが普通になってしまうのだと思うのです。学年が上がって4年生5年生になっても、何の違和感もなくオクターブの音を切って
弾いていませんか?物理的に弾けなくてできないのは仕方がないけれど、できる状態なのに弾いていないのはアウトです。だってできる指を持っているのに
やっていないってことでしょ?それ、ダメでしょ?年齢も上がって背も伸びてきていますから、どこかのタイミングでオクターブが届く指になっていますよ。
練習曲の中でそのような曲が出てきたら、「どうせできないから・・・」で片付けないで、一度挑戦してみましょう。できなければ仕方がない、できるように
なっていたら楽譜通りの表記で演奏をしていくようにしましょう。
オクターブを弾くときと同様に、足台についても、レッスンでは生徒さんの様子を
観察するようにしています。足台については、足が床に届くかどうかが目安ではなく、足台を外した時の腕の位置に注目します。レッスンを始める時にお話しを
していますが、ピアノを弾く時の腕の位置は、ピアノの鍵盤の高さと同じ位置で弾くことが理想とされています。余計な力をかけず楽に演奏できる位置の
目安です。足台についても、身長によって使用するのか使用しないのかを決めることになります。自分の手の状態・体の状態を知って、練習に取り掛かる
ようにしていきましょう。

こちらの曲、左手がメロディー、右手が伴奏の形の曲です。右手の伴奏は うん、たん、たん、うん、たん、たん・・・の形。お休みがあって4分音符の
和音になっています。この4分音符が曲者で、生徒さんの演奏を聴いていると「ん?」変な感じに聴こえてきます。どこが変?何がおかしいのでしょうか?
うん、たん、たん・・・・で聴こえてきていたら問題はないのですが、うん、たん、たーん、うん、たん、たーん・・・と聴こえてきます。この
曲の和音は同じ音を2回弾く曲。と言うことは、音を繋げては弾けません。もう一度同じ音を弾くためには、指を鍵盤から離してすぐに次の音の打鍵をしな
ければなりません。スタッカートまでの短かい音にはならなくても、1度目の和音は短かくなりやすい音です。それに比べて2度目に弾く和音は、次の1拍目が
休符になっていることもあって、十分な長さで演奏をすることができます。1度目は短かい音、2度目は少し長い音・・・となって演奏をしてしまうために、
聴いた感じが うん、たん、たーん、うん、たん、たーん・・・となってしまうのです。この楽譜をよく見ると、書かれている音符は同じです。
同じ4分音符の書き方になっています。同じ音符なのに、聴こえ方が違うってありなの?
生徒さんには「聴いた感じが変じゃない?」と尋ねましたが、
音のミスをしているわけでもなく、生徒さん自身は正しいと思って演奏をしているので変なことに気がつきません。・・・であれば、聴いてもらうしかありま
せん。「何が違うかよーく聴いてね」と、2つの弾き方を聴き比べてもらいました。何度か弾いている間に「2つ目の音が長い」ということに気がついた生徒
さん。見事ですね。楽譜では同じ書き方になっているのに、聴こえ方が違うのはおかしいことです。だって同じなのに・・・。同じ音符であれば同じ長さに
聴こえなければなりません。どんなふうに聴こえているのか、よく確かめる必要があります。
自分の演奏が他人にどう聴こえているのか・・・を
確認するためには、やはり自分の音を聴いていなければわかりません。自分が聴いている音は他の人にも届いている音です。長いのか短かいのか、綺麗なのか
綺麗でないのか、そこから自分の演奏の改善点がわかります。基本的には、同じに書いてあるものは同じに聴こえるように演奏をします。ちょっとしたこと
かもしれませんが、この違いが洗練された演奏を生むことになります。他の人にどのように聴こえているのかを意識して、練習に取り掛かりましょう。

「ピアノに向いていない」と、ピアノへのモチベーションが下がっている?生徒さん。そもそも、ピアノに向いている・向いていないってどういうこと?
ピアノは練習がものを言う習い事なので、向いていないという判断ではなくて、練習に取り組めるか・取り組めないか・・・だと思います。でもどうして
「ピアノに向いていない」と言う言葉が出てきたのでしょうか?
私から生徒さんへの提案として、1日15分のピアノ練習をお願いしています。この
15分は、テキストの学習に取り組んでもらう時間です。教室で扱っているテキストは、初心者の生徒さんが上達するために、段階を追って少しづつ難しくなって
います。そのテキストやテクニックのテキストに15分の練習を提案しています。この方法でいけば、無理なく練習が進められるはず。大抵の生徒さんは、これで
上達をしていっています。では、ピアノに向いていない?生徒さんはどうでしょうか?実はこの生徒さん、ピアノ学習の1年目なのですが、弾きたい曲の楽譜を
持ってこられました。その楽譜は、ある程度のピアノ学習が進んだ生徒さんならば弾ける内容ですが、初心者の生徒さんにはちょっと無理な感じの楽譜です。
「もう少し進んでからにしましょう」の提案をしたのですが、「がんばります。弾きます。練習します」の言葉に負けて、練習が始まりました。そうして出てきた
言葉が「ピアノに向いていない」というもの。やっぱりね・・・。冷たいようですが、私の正直な感想です。
音読みや音符の長さを学習していけば、
楽譜は読むことができます。頭の中で音楽も組み立てられます。それが知っている曲ならばなおのこと。ですが、実際に演奏をするとなると、スルスルと弾けない
場合があります。例えば、16分音符は速いリズムの音符ですが、頭の中で音符の長さがわかっていても、その16分音符を弾くだけの速く動く指を持っていなければ
演奏をすることは難しいです。音楽はわかっているけれど弾けない状況ができてしまいます。この生徒さんも、自分の弾きたい曲でつまずいているのはこういうこと
だと思います。知っている曲・弾きたい曲が頭の中では流れているのに、カッコよく弾けない自分がいる、そんな状況です。そりゃ、嫌になりますよね?
じゃ、いつまでも弾けないの?そうではありません。順を追ってピアノ学習を進めていった先には弾けるようになります。「ピアノ始めます。ショパン
が弾きたいです」これは無理だと思います。もちろん、1日に10時間、15時間・・・の練習が可能ならばできるかもしれません。ですが、1日に15分の時間での
ショパンはどうでしょうか?あまりに無謀だと思うのですがどうでしょうか?自分の弾きたい曲のレッスンを取り入れていますから、どんどん希望は出して
もらって構いませんが、自分の実力とあまりにもかけ離れた楽譜では、ピアノへのモチベーションが下がってしまいます。弾きたい曲は、スルスルとカッコよく
弾きたいもの。そのための準備ができているかどうか、練習時間が取れるのかどうか・・・などよく考えた上で練習に取り組んでいきましょう。楽譜の難しさ、
練習時間の確保、の2つの面から考えて欲しいと思います。

曲の速さが一定でない場合は、メトロノーム練習をお願いしています。特に何らかの本番を控えている時は、メトロノームに合わせての練習は必須です。
本当は、日頃の練習曲でも1度はメトロノームに合わせて欲しいのですが、なかなか自分から進んでメトロノームに合わせてくれる生徒さんはいらっしゃいま
せん。まぁ、私も嫌いだし・・・。とは言っても、やるしかないのですが。
9月に本番を迎える生徒さんは、最初、曲の途中で曲の速さ(テンポ)が
ゆっくりになって安定しないテンポでの演奏になっていました。まずは一定のテンポで弾いてもらうため、毎日のメトロノーム練習をお願いしました。
メトロノームに毎日合わせていると、その速さを体が覚えてくれます。自分がゆっくりになっている箇所も、強制的に合わせている間に正しい速さを覚えて
くれるようになります。そうやって練習を積んでいく間に、メトロノームをかけなくても正しいテンポで弾けるようになっていくのですが、本番までの時間に
余裕があったので、全くやめるのではなく、毎日のメトロノーム練習から3~4日に1回のメトロノーム練習に切り替えてもらい、最後は1週間に1回のメトロノーム
に切り替えてもらいました。本番の直前になって、テンポに不安定さが出てくると困るので、確認の意味でのメトロノーム合わせです。
先日、本番前の
最後のレッスンにやってきた生徒さん、もうすぐにでも本番に立てるほどの仕上がり状態です。「だんだんとメトロノームに合わせる回数を減らしていったから」
という生徒さんの言葉通り、メトロノーム練習をだんだんと切り替えてテンポの安定を手に入れた生徒さん。曲の速さを体が吸収したようです。「メトロノーム
に合わせていないと弾けない」では困りますが、「メトロノームに合わせられない」でも困ります。本番ではメトロノームに合わせながら弾かないので(今までに
メトロノームに合わせながら本番で演奏している人を見たことがありません。当たり前ですが)いつまでもメトロノームに頼るのもオススメはしません。
ですから、だんだんと合わせる回数を減らしながら、体に曲の速さを覚えさせるようにしていくと良いと思います。基本的には、曲は最初から最後まで一定の
速さで演奏するもの。メトロノームとのだんだん練習を取り入れて、一定の速さを手に入れるようにしましょう。

本格的な8分音符の練習に入った生徒さん。8分音符は1つの半分の長さの音符になりますから、少し速く弾くリズムになります。普段の練習曲ならば、
ゆっくりで数えながらの練習ができていればOKですが、こちらのテキストはバーナムのテキスト。バーナムのテキスト曲は、伴奏と合わせながらのレッスンに
なりますから、そんなにゆっくり弾いていられません。
とは言え、最初から規定の速さで弾けるはずもなく・・・。最初はゆっくりの速さから、
だんだんと速い速さに移行させていかなければなりません。生徒さんへは、8分音符の1つ1つの粒を揃えて弾いてもらうために、8分音符単位でメトロノームに
合わせてもらうよう指示を出してあります。付箋にメトロノームの数字を、ゆっくりから速くなるように順番に書いてあります。最終目標の数字までを
書いてありますが、これは、1週間で必ずやらなければならないというものではありません。できて仕舞えばそれに越したことはありませんが、急いで仕上げる
のが目的ではなく、確実に綺麗に弾けるようにするのが目的です。1週間でやれるところまでをやってきてもらって、続きはまた次の週へ持ち越しで構いません。
なかなか上手にできなくて1ヶ月ほどかかったとしても、それでもいいのです。
今回は8分音符の練習の生徒さんの話でしたが、16分音符になって
くると、1ヶ月2ヶ月の時間がかかってしまうことが普通にあります。8分音符よりもさらに速いリズムになってくるので、それを右手・左手を合わせて速く
弾くことはかなり難しい技になります。生徒さんにも「綺麗に弾くことが目的だから、急がなくてもいいからね。確実に弾けるようになってから
次の速さに移行しましょう」と、話しています。習得する技術が難しくなっていくほど、丁寧さが求められます。丁寧な練習で確実に弾けるようになるまで、
焦らずに練習を積んでいきましょう。1週間でやっていかないと先生に怒られる・・・・!? いやいや、私、そこまで怖くないですよ〜。適当にぐちゃぐちゃ
弾きをしているほうが怖いと思いますけど・・・・。焦らず確実に・・・を頭に入れて練習を進めてください。

ピアノ学習を始めた生徒さんに、まず徹底をして欲しいのは音読み。教室では音符カード読みにも取り組んでいますが、この音読みの徹底をしてもらいたいと
思います。テキストの練習曲を進むことに一生懸命になってしまいがちですが、テキストを先に先に進むことよりも大切なのは音読みです。せめて、今、
テキストの練習曲に出てきている音は、スラスラと読めるようにしていきましょう。
音読みができているかどうかは、音符カードがスラスラ読めて
いるかどうかで確かめることができます。ここで1つ気をつけて欲しいことは、教室で取り扱っている音符カードには4分音符のカードと全音符のカードの
2種類があるのですが、そのどちらの音符のカードでも関係なく読めるようにして欲しいです。ある生徒さんは、4分音符のカードの音は読めるのに、全音符の
カードになると途端に音がわからなくなってしまいます。音符の中身が白いと読みにくくなるのかな?黒い音符でも白い音符でも、音は読めなくてはいけません。
黒い音符しか読めません・・・では困りますね。どちらでも関係なく読めるようにしておきましょう。また、別の生徒さんは、音符カードやいつものテキスト
曲はスラスラと進んでいるのですが、別の楽譜になると音がわからなくなってしまったり、ワークブックの音読みで戸惑ったり・・・・。テキストの曲が進んで
いるからと安心していると、思わぬところで読めていないことに気が付く場合があります。ピアノ学習の最初の頃の楽譜は、ゆっくりの進度ですが、ある程度
進んでいくと一気に音が広がっていきます。レッスンでは、生徒さんの様子を注意深く見るようにしています。気になることがあれば、その都度、保護者の
方にはお伝えするようにしていますので、おうちでも音読み状況を確かめてもらえれば、と思います。
音読みがスラスラできていると、初見演奏が
できるようになります。初見演奏とは、初めて見る楽譜の演奏です。レッスン中にも、初見演奏でテキストの新しい曲を弾いてもらったりすることがあります
が、注意深く楽譜を読んでいくと、弾けてしまうことがあります。これって、ピアノ学習をする上ではかなりの強みになります。初見演奏ができるということは
曲の仕上がりが早くなると言うこと。結果、テキストの進みが早くなると言うことに繋がります。テキストを早く進めたいと思うならば、音読みの徹底を図った
方が良いです。時々きちんと定着しているかどうかの確認をしながら、1つ1つ確実に読めるようにしていって欲しいと思います。
最近は、大人の生徒さんの入会も多くなりました。小さい頃に習っていた生徒さんもいらっしゃいますし、初めてピアノを習う生徒さんもいらっしゃい
ます。始めるきっかけも様々で、自分一人で弾いていると、それが正しいのか正しくないのかわからないから、とおっしゃる生徒さんも。ピアノが大好きで、
色々な曲に挑戦したい生徒さんもいらっしゃいます。大人の生徒さんは、基本的には初心者の生徒さんを除いては、好きな曲・好きなテキストでのレッスンに
なります。楽しみながらレッスンを進めていくことができたらいいと思います。
10月からレッスンを開始する生徒さんは、他のピアノ教室から移って
こられた生徒さんです。え〜なんで?どうされたのでしょうか?わざわざ通っていた教室を辞めて、西東京市から通ってくださいます。お話を伺ったところ、
今までの先生は怖かった・・・ということでした。怖かった?大人の生徒さん相手に怖い? お話によると、ちょっとわからないところがあって先生に
尋ねようと思っても、怖くて聞けないとのこと。とても難しい曲を演奏されるのにメトロノームのかけ方をご存知でなく、「習いませんでしたか?」と聞いた
ところ、怖くて聞けないし、「自分でやってきて」と言われたとのこと。他の先生のことを言える立場にないのですが、せっかく習っているのに、聞きたいことが
聞けない状況では辛いですね。
新しい大人の生徒さんとお話をしていて、ふと、思ったのですが、私は何でも言える先生・何でも聞ける先生になって
いるでしょうか?私もやっぱり怖いかなぁ?怖いとか優しいとか、大きい・小さいなど、漠然とした言葉で表すものって、はっきり言って人それぞれ。
同じように接していても、「怖い」と感じる人もいれば、「怖くない」と感じる人もいます。「怖い」がダメで「怖くない」が良い、ということでも
ないので、結局は相性の問題なのかな?とも思いますし・・・。人と人のお付き合いって難しいと感じます。ただ、何でも言える先生・何でも聞ける先生には
なりたいと思っています。思ったことも言えない中でのレッスンでは、演奏にも影響がでてきますし何より楽しくない!体験レッスンに来られて、すぐに
レッスンが決まったので、話がしやすいと感じてもらえたのかなぁとは思いますが・・・・。早速、練習内容についての質問がメールで届いたので、何でも
聞ける先生になれているよう。これから楽しくレッスンを進めていきたいと思っています。何でも言える・何でも聞ける先生を目指していますので、よろしく
お願いします。
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教室に在籍をしている幼児教育科の大学生の生徒さん。保育園の先生・幼稚園の先生を目指して学習中です。大学の前期の課題を提出後、少しの間お休みを
取っていましたが、今月からの後期の授業に合わせて、ピアノのレッスンも再開しました。学校の課題では、ブルグミュラーを弾くこともあるのですが、全ての
曲を演奏するわけではないので、ピアノのレッスンではその他のブルグミュラー曲をレッスンしています。
休み明けに聴かせてもらったブルグミュラー
曲、表現力が豊かに仕上がっていました。生徒さんとのレッスンは既に丸3年。指を作るところから始まって、表現の方法まで、様々な曲を
通して学習を積んできました。弾き歌いやピアノ曲など大学の課題も多くあるので、ピアノにはたくさん触れている生徒さんだと思います。半ば、追ったて
られるようにして?課題をこなすこともあったりで、その都度、表現の方法などお話しをしてきました。「表現力が豊か」とは、どんな状態を言うのでしょうか?
強い・弱いなどの強弱をつけて演奏することはもちろんですが、曲を表現するには、楽譜の中に書かれた楽語の理解も必要です。楽語の意味がわかっていなければ
どのように表現をしていいのかわかりません。でも、それだけではありません。私の言う「表現力」は、音楽の常識・音楽のルールを言っています。例えば、
スラーの弾き方、音楽の終わり場面での音の処理、上行・下行の音楽の作り方など、ある意味、常識的に行われている表現を取り入れた演奏です。楽譜には
細かく書いていないことを表現してこそ、素晴らしい演奏になります。
曲の気持ち・音の気持ちを考えることも重要です。曲に気持ちなんてあるの?
と言われそうですが、曲名がついているものならば、その曲が表している音楽を想像することも大切。小さな生徒さんが練習をする曲の中に「ポピーがゆれて」
という曲がありますが、ポピーってどんな花?どんな形?ゆれ方だって台風の風?(ちょっとこれは言い過ぎですが)そよ風?想像するものによって曲の
弾き方も違ってきます。ポピーは茎が細い、か弱そうな花のように思うのですが、その花がゆれている曲。台風の風だったら潰れてます・・・。その曲を演奏
した時に、どんな弾き方だったら曲の雰囲気にピッタリくるのか、考えてみるといいですね。
どの曲を弾く時にも、その曲の中に物語を作って
みたり場面を想像したりして、考えながら演奏をして欲しいと思います。そうやって仕上がったものが「表現力が豊か」な曲になるのではないでしょうか?
大学生の生徒さんの成長ぶりに、本当に嬉しく思いました。1つ1つ学んできたことを生かして、曲を仕上げて欲しいと思います。
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学校の合奏での、楽器別練習に入っている生徒さん。オーデションとは違って音もリズムも変わっているので、オーデションと同じ曲ではあるのですが練習は
必要です。学校の曲でも何でもレッスンをすることは可能ですから、気になる生徒さんは持ってきてもらえたら、と思います。
学校の合奏曲を
弾いてもらっていて気になることは、リズム間違いが多いと言うこと。4分音符も8分音符も同じ音符の長さで弾いてしまったり、長く伸ばす音を伸ばしてい
なかったり。それって、何拍子の曲を演奏しているのかもわかっていない曲になっています。なぜ、そんなことになってしまうのでしょうか?生徒さんの様子を
伺っていると、数えながらの練習を行っていないよう。何となくの雰囲気で音だけを追って弾いているように見えます。レッスン曲を弾いている時の生徒さん
は、数えながら弾いているのでリズムの間違いがありません。それなのに、学校曲を弾いている時は数えない?どうして?レッスン曲も学校曲も、練習方法に
変わるところはありません。同じように練習をしましょう。
では、どうして数えながら弾いた方が良いのでしょうか?数えながら弾くのは、リズムを
正しく刻むためです。音符は種類によって長さが違ってきます。頭の中ではそれぞれの音符の長さはわかっていると思いますが、弾く時になると、弾きにくい
リズムがゆっくりになってしまったり、長く伸ばす音符の長さが適当になってしまったりをやってしまいがち。それでは、正しいリズムが刻めません。
数える時には同じ数え方を同じ速さで数えていなければ、正しい曲には仕上がりません。何となく知っている学校の曲だから、数えなくても正しく弾けると
思ってしまったのかな?
レッスン曲を数えながら練習している生徒さんであれば、やはりまだ数えながらの練習が必要です。それは、学校の曲でも
同じこと。合奏であれ、伴奏譜であれ、いつもと同じ練習方法を用いましょう。確かに慣れてくると、声に出して数えることはなくなってきますが、その場合は、
メトロノームに合わせることができるようになってきているはず。いや、そうなっていなければなりません。メトロノームに合わせて間違いなく弾けるので
あれば、その曲が弾けている証です。学校曲の仕上げにもメトロノームを活用して、正しく弾けているかどうかの確かめをやってみるとよいでしょう。
レッスン曲も学校曲も普段と変わらない練習方法で、まずは練習に取り掛かることが大切です。変えてはいけない!
最近、体験レッスンのお問い合わせが多くなり、小さなお子様から年配の大人の生徒さんまでお越しいただいています。何名かの生徒さんは10月からの
レッスン開始が決まっています。大人の生徒さんは100%自分の意思で習われますから、ピアノには練習が必要なこともご存知です。では、小さな生徒さんの
場合は、誰の意思で習うのでしょうか?
生徒さんが小学生までの場合は、お子様本人の意思よりも保護者の「習わせたい・弾けるようにしたい」という
保護者の意思が強く表れている場合があります。もちろん、保護者の意思でピアノを習うことになっても悪くはありませんが、お子様がピアノを習うことに
あまりに乗り気でない場合は、ピアノのレッスンは辛いものになります。全くの興味がないものを続けることは難しいです。いくら保護者の方が一生懸命に
なっても、実際に習うのはお子様ですから、お子様の気持ちを上向きに持っていく必要があります。では、お子様がピアノに対して意欲的なのに、保護者の
方に気持ちがない場合はどうでしょうか?こちらもまた、ピアノの上達には影を落とすことになります。お子様にとっては、習いたいピアノ・弾けるように
なりたいピアノなのですが、だからと言って一人で黙々と練習を続けるのは難しいです。保護者の方の適切な声かけも必要ですし、励ましも必要です。どちらか
一方の思いだけでは、ピアノを習うことは難しいと言えるでしょう。
体験レッスンで保護者の方やお子様のお話を伺っていると、本当にピアノを
習いたいのかな?と疑問に感じることがあります。ピアノを習いたい・・・と言っているはずの生徒さんですが、あまりピアノに興味がなさそうな態度だったり
すると、ちょっと考えものです。やはり、ピアノレッスンを始めるにはピアノを習う覚悟が必要です。覚悟と言っても難しいものではなく、生徒さんには、
練習をする心構え、例えば1日15分の練習ができるかどうか・頑張る気持ちがあるかどうかの意思確認が必要ですし、保護者には練習をさせようという
気持ちが必要です。毎日の練習を習慣づける覚悟が必要になってきます。そうでなければ、ピアノに費やす時間もお金も無駄になってしまいます。ピアノを
スラスラと弾いている人は素敵ですが、その裏には練習や努力があるもの。ピアノを習う覚悟・習得する覚悟を持って臨んでいくことが重要だと思います。
保護者には保護者の、ピアノを習わせる覚悟が必要ですし、生徒さん本人には続ける覚悟が必要です。ピアノに対する気持ち、一度確認をしてみるとよいでしょう。
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25日はゆめりあホールでのピティナ・ステップでした。普段は、狭いレッスン室での小さな空間で弾いているピアノですが、ステップでの演奏は違います。
こんなにキラキラしたステージで、奥行きが長〜いピアノでの演奏です。グランドピアノって、奥行きが長ければ長いほど響きが良いです。何故って、弦が
長いから。自分の弾いているピアノの音の響き、楽しむことができたでしょうか?
教室では、教室単独の発表会を開催していませんので、舞台上で
演奏をしたい生徒さんには、ピティナ・ステップを紹介しています。今回は、教室から1番近いゆめりあホールでの開催でしたが、近隣の光が丘・保谷・新座・所沢
などのホールでもステップは開催されていますので、日程を確認しながら、お好きなホールで参加をすることができます。1年間に3~4回参加をされる生徒さんも
いらっしゃれば、1年間に1回・2回の生徒さんもいらっしゃり、それぞれの判断で参加をしていただくことができます。人前で演奏するのはちょっと・・・と
いう生徒さんもいらっしゃるので強制はしていませんが、私個人としては、参加には前向きです。
ステージ経験をオススメする理由ですが、まず1番に
ピアノの上達が見込まれると言うことがあります。いつもの練習曲よりも長い時間をかけて曲に向き合うことになりますので、曲に対する思いや仕上げ方など、
いつもよりも深く考えてもらうことになります。いつもの練習曲では、楽譜通りに演奏ができていれば次に進んでいきますが、ステップでは、楽譜通りに
弾けてからの仕上げになっていきます。ステップ終了後の練習曲では、その想いが生かされていきますから、表現をする力がついていきます。次に、生徒さんの
モチベーションが上がっていくことが挙げられます。いつもと違う格好・雰囲気の中で演奏ができたことが嬉しくて、また頑張ろう・また出たい、という
考えに結びついていくからです。楽しくピアノ学習を続ける1つのきっかけになります。他には舞台度胸が養われたり、緊張することに慣れていったりなども
挙げられます。
細かなことを挙げていくと、演奏するマナーや他の人の演奏を聴くマナーも学べますし、同年代の他の人の演奏から学ぶことも
あると思います。今後のピアノ学習の目標もできていくかもしれません。教室の生徒さんたちを見ていても、ステップに参加をした直後から、楽譜を読む
スピードが早くなったり、曲の理解度が上がったりしている生徒さんが多いです。やはりじっくりと曲に向き合った結果なのでしょう。様々な観点からステップ
に参加をすることは、長い目で見てピアノ上達の近道になっています。教室のホームページのお知らせには、近隣のホールでのステップ情報を載せてあります
ので、時々覗いてくださると情報がわかります。参加を希望される生徒さん、教室まで気軽に問い合わせを!

ピアノ教室に通ってピアノを弾けるようにしていくのですが、ピアノを弾くためには楽譜が読めなくてはいけません。耳コピのレッスンもありますが、私の
教室では、基本的には自分で楽譜を読んでもらう方針です。最初に音・リズムなどの基本的なことを学んでもらっています。
教室説明の時に
お渡しをしている教室の規約に、バイエル上巻・バイエル下巻・ブルグミュラー・ソナチネ・ソナタと表記がありますが、私が考えるピアノ学習の進め方は、
バイエル上巻程度で音・リズムを学習してもらうようにしています。バイエル下巻程度になると、音域が広がったり難しいリズムの学習をしながら、表現の仕方に
ついての学習を少しづつ取り入れるようにしています。強弱記号も、バイエル下巻程度になると多くの種類が出てくるようになりますから、弾き分けを考え
なくてはなりません。旋律のフレーズの音処理の仕方やスタッカートの様々な弾き方などを学習しながら、ブルグミュラー程度の曲が弾ける力をつけていき
たいと考えています。ですから、ピアノ学習の1段階目は音・リズムの正しい習得、2段階目は表現力 と言うことになります。テキストで言えば1段階目が
バイエル上巻程度、バイエル下巻程度で表現力学習を取り入れながら進めて、完全な表現力の学習はブルグミュラー程度に入ってから。これは何を意味する
のかと言うと、ブルグミュラー以降の学習をしている生徒さんであれば、音・リズムの間違いは基本的にはない!ということです。基本的な楽譜が読めている
からこそ表現の学習ができるのであって、音間違い・リズム間違いをしながらでは、表現力を養う学習は難しいです。
将来的にピアノを楽しみたい
のであれば、せめてバイエル下巻程度の学習を終わらせていないと、楽しむことは難しくなります。もちろん、大人になって初心者の立場でピアノ教室に
通ってもいいのですが、せっかく子供の時にピアノを習っているのですから、一人で楽譜が読める力はつけたいです。そうすることで、一人でもピアノを
楽しむことができます。ここまでの力を生徒の皆さんにはつけたいと考えています。そのための数えながら弾きや音符カード読みです。結局ここなの?と
思うかもしれませんが、結局ここです!これができなければ前には進めません。ただ弾くだけでもできません。せっかく習っているピアノですから、せめて
1段階目はクリアできるようにしていきましょう。それ以上を求める生徒さんは、2段階目に入っていきましょう。今、自分がどの段階の学習を進めているのかを
意識しながら、レッスンで注意をされたことを直していくと良いでしょう。楽しくなるピアノに近づけていきましょう。
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ピアノの練習をしている時の自分のピアノの音、きちんと聴き取れているでしょうか?「聴いているわよ!💢」と、言われてしまいそうですが、ただただ
聴いているのではなく、ちゃんと聴き取っているかどうか。どんな状態で自分の音が鳴っているのかを聴いてみましょう。
何人かの生徒さんには指摘を
させてもらいましたが、ハノンなどのスケール的な曲を弾いている時に、音が重なっている生徒さんが割と多いのです。音が重なると言う状況は、1つ1つの
音が交替になっていないことを指します。例えばドを弾いたらレ、レの次はミ・・・といった音を弾く時に、ドを押さえたままレの音を弾いてしまって、1度
音が重なってからドの指を離している状態。おそらく自分ではきちんと弾いているつもりなので、さら〜っと弾き進めば分かりづらいです。でも、その時の
自分が弾いている音をよ〜く聴いてみると、重なっている時の音とそうでない時の音の違いがわかるはず。1度自分で、わざと重ねて弾いてみたり正しく弾いて
みたりを繰り返して聴いてみましょう。明らかに聴こえ方が違います。その違いが聴き取れていれば、いつもの自分の音も交替になっているのか・なっていない
のかがわかると思います。
ハノンなどのテクニック教材を使っていない生徒さんでも、例えば、テキストに出てくる音階の練習曲や普段の曲の
中に出てくる左手の伴奏を弾いている中で、音の重なりが出てしまうことがあります。特に多く感じる指は、4番の指。4番の指って支える力も弱くてふにゃっと
しやすい指です。ついつい押さえたままになってしまうのだと思うのですが、やはりそれではダメなのでしっかりと指の独立をさせなければいけません。
レッスンでは、重なった時の弾き方と、重なっていない時の弾き方の両方を聴いてもらっています。微妙な違いですが、人に弾いてもらうとよくわかるよう。
それが聴き取れているのですから、自分の音も聴き取れるはず。生徒さんたちには、意識をして音を聴き取ることをやってもらいたいです。音が間違っている・
間違っていないを聴くのではなく、今回のように音の重なりを聴き取る、和音のバラツキを聴き取る・・・・など気が付いてもらいたいことがたくさん
あります。ただ音が鳴っているものを聴いているのではなく、聴き取ることが重要です。自分の音に意識を向けると更に良い演奏になっていきますよ。