変なクセ 保谷ピアノ教室 7月に「つけてはいけないクセ」のお話をしました。その時の内容は、鍵盤ばかりを見て楽譜を見ないで弾く生徒さんのお話しでした。半分耳コピ状態で 弾いていることと同じになりますから、楽譜の中の音を見ながら弾きましょう・・・とのお話でした。そして今回は、もう一つのつけてはいけないクセの お話です。

ピアノを弾く時の手の姿勢(手の形)についてですが、5本の指がきちんと鍵盤の上に乗っていますか?写真のように、弾きたい指だけを 鍵盤の上で一生懸命に押している・・・なんてことになっていないでしょうか?ピアノ学習を始めたばかりの生徒さんに多く見られるのですが、ピアノは本来、 鍵盤が重いので、小さな手で音を出すには難しい楽器です。生徒さんなりに音を頑張って出そうとする時に、ついつい必死になり過ぎて力任せに押してしまうと、 写真のように変な手の形になってしまいます。教室では、音が出にくいからと言って、無理に大きな音を出すようなことは指導していません。音が出ないのは、 手が小さく指の筋肉や関節が発達していないからなので、ピアノを弾いている間に、だんだんと発達もしますし、手も大きくなりますから、最初から大きな音は 出なくて良いと考えています。大きな音を出すことよりも、基本の手の形を重視しています。1つ1つの音を大切に、指を下に向かって押すことを意識するように しましょう。

何事も基本を極めることは大切です。ピアノにはピアノを弾くための「基本の手の形」があります。5本の指の指先を鍵盤に向かわせること、 そして、アーチ状に整えること、その際に手首が下がらない程度の力が必要になってきますから、その時の力加減を覚えること。そもそも、綺麗なアーチ状に手が 整っていれば手首は下がりません。演奏している間に手首が下がってくるのは、自分の手を支えきれていないから。支えるだけの力加減がわかっていないから。 それは、ピアノ学習の最初に力加減を測っておかないと、いつまでも変なクセがついたままになります。それこそ、その変なクセを直すには多くの時間が必要に なってきます。気がついた今、今すぐに直す意識を持たなければいつまでもカッコ悪いままです。

教室では気になる生徒さんにはその都度、お話を させていただいています。教室のレッスン時間だけ直して弾いていても、自宅練習で意識をしなければ直るものも直りません。せっかく習っているピアノですから、 綺麗なピアノの音を出すための正しい姿勢を手に入れて欲しいと思います。
教室には様々な理由でピアノを学習している生徒さんがいらっしゃいます。大人の生徒さんも子どもの生徒さんも、ピアノを習う 根底はピアノを弾きたい・ピアノを楽しみたい・ピアノが弾けるようになりたい・・・などの理由が多いと思いますが、お子さんに 弾けるようになってほしい・・・と言うような保護者の考えのもとに通ってくださっている生徒さんも。別に本人に習いたい意志が なくても、イヤイヤ通っているわけでなければ、私個人としては構いません。少しでも練習をしていただけるのであれば、無駄な ピアノにならないと思いますから。

ピアノを弾けるようになりたい・弾けるようにさせたい、と考えるのであれば、楽譜を 読むことを覚える必要があります。講師は、弾けるようになるためのお手伝いをしているに過ぎません。実際に弾いていただくのは生徒さん 自身ですから、その生徒さんが自分で楽譜を読める力を養わなければいけません。音の読み方を学習し、苦手なところは、あの手・この手で 読めるようにしていきます。ゆっくりのスピードで進むのか、早いスピードで進むのかは、生徒さんの理解度や練習具合で決まっていきます。 ゆっくりだから悪い、早いから良い と言うものでもありません。習っている生徒さんが、自分の思うように進めているかどうかが大切だと 思います。

教室の生徒さんの中には、音読みはできているけれど、指が思うように動かない(動いてくれない)生徒さんもいらっしゃいます。 じゃ、ピアノなんて辞めたらいいんじゃない?と第三者は思うかもですが、生徒さん自身はピアノを弾いていたい、弾くことが楽しい・・・と言って くれているので、テキストの練習をやめている生徒さんもいらっしゃいます。生徒さんに足らないものは、自由に動かすことができる指なので、テキストの 練習を置いておいて指を動かすテキストを頑張っています。また別の生徒さんは、ピアノ学習の王道を進みたい、と言うことでがっつりとした表現練習に 進んでいる生徒さんもいらっしゃいます。王道を進むと言うことは、かなりの表現力を必要としますので、楽しいだけのピアノにはなりにくいです。反対に、 ある程度楽譜が読めるようになっている生徒さんの中には、自由に弾きたい曲のレッスンをしている生徒さんも。自分で満足のいく曲の仕上がりになるように 練習をされています。

結局ピアノって、自分がどのレベルまで引き上げたいか・・・だと思います。腕の使い方や身体の使い方までを学んで、 音の出し方の研究をするのか、ある程度の弾き方ができて楽しみながら弾きたいのか、知っている曲をたくさん弾けるようになりたいのか・・・?自分が求める ピアノの練習ができていて、自分が満足できていればOKなのだと思いますが、違うでしょうか?ただ、これまで長い期間、教室で習ってくれていた生徒さんたちに お話を聞くと、誰しも1度や2度は、ピアノを辞めたい・・・と思ったことがあるとのことでした。まぁ、今、ピアノの先生をしている私もそうでしたし・・・・。 右肩上がりでばかり進んでいくピアノでもありません。もうやりたくない・もう辞めたい・・・なんて思うことだってあります。でも、辞めなかったからこその 景色が広がっているわけですし、一時の気の迷いもあったかもしれませんし・・・・。そんな時は弾きたい曲を弾いたり、少しの間練習をサボったりして気持ちを リセットするのもいいかもですね。自分に合うピアノの楽しみ方を見つけていきましょう。
ひなこ 保谷ピアノ教室 お子様達は夏休みに入って2週間ほどが経ちました。毎日が早く進む〜、って感じているのは私だけでしょうか?未就学児さんや 小学生の生徒さんたちは、今年もおしゃれにマニュキアをつけてやって来ています。まぁ、学校が始まるとそんなこともできなく なるでしょうから、いいんじゃな〜い!大いに楽しんでもらえたらと思います。

そんな中、今年から高校生になった生徒さんも、 元気に夏休みレッスン中なのですが、なんとまぁ、髪の毛が一部シルバーに、手の爪は伸びてキラキラに・・・・。髪の毛はエクステと 言うもののようです。私もさぁ、生徒さんのこと、わちゃわちゃと言えない身ですので、文句を言うつもりはありません。部活動をして いない生徒さんは、夏休み中は高校へ行かないと言うことで、やりたいことをやりたいようにやっているとのことでした。まぁ、それも いいんじゃな〜い、と思います。ただ、爪はねぇ・・・付け爪かと思ったら自分の生爪だそうで、よくもここまで伸ばしたわね💢状態。 別に怒っているわけではないのですが、長い爪だとピアノは弾きにくいのです。鍵盤と鍵盤の間に挟まっちゃって割れる可能性もあるわけで ・・・・。弾き姿を見ていると、爪を守るような手の状態で弾いているようにも見えます。

今は、はじけちゃったようになっている 生徒さんですが、高校受験期も休むことなく教室には通ってくださっていましたし、合唱コンクールでも伴奏を務めた生徒さんです。いろいろと 弾ける力はあるのですが、ゆる〜くピアノを楽しんでいるよう。私からすると、もうちょっと真面目に?練習をしたら難しい曲も弾けるのに・・・ なんて考えてしまうのですが、生徒さん自身はそれを望んでいないようで、好きな曲をゆっく〜りとした進み具合でゆる〜く進んでいきたいのかな? ピアノは大好きだし、将来は幼稚園の先生になりたいとのことで、ピアノを弾いていたくて通ってくれています。これはこれで、生徒さんの望む ピアノの楽しみ方なのかなぁと思います。どのような楽しみ方でも、必要最低限の楽譜を読む力は養っていなければなりません。自分の望む楽しみ方で 楽しんでいけると良いですね。
ピアノ歴が4年になる生徒さんのお母様から「ピアノの練習をするのが嫌だと言っています。練習をしません」と、突然のメール。あれ〜、そんなに 難しかったっけ?弾きにくいような曲だったかなぁ?と言うのが私の感想。前回のレッスンでも何も変わった様子は見受けられなかったし・・・。 どの生徒さんでも同じですが、練習をしていなくても教室にお越しいただいて構いません。一緒に楽譜を見ながら練習をすることもできますし、ピアノを弾く 以外にもやれることがあります。練習をしていないからって怒ることもありません。気分が乗らなくて、ピアノの練習をやりたくない時だってありますから、 そんな時はそのまま教室にお越しください。

生徒さんには「遊びに来る感覚でおいで〜。一緒に練習してもいいし、弾かなくてもいいから」と、伝えて もらい、教室に来てくれました。他愛もない話をしたり、夏休みの宿題の話をしながら絵を描いていた生徒さんでしたが、「ピアノどうする?」と聞くと、「ピアノ 弾く」と言うことで、レッスン曲を弾いてくれました。驚いたことにレッスン曲が弾けています。ちゃんと合格レベルで弾けていました。???なんで?練習できてるの? 実は少し前から生徒さんの言動で気になっていたことがあったのですが、自宅でのピアノ練習を一人でやっていると言うことでした。生徒さんは年齢の割にしっかりと しているので、ついついお母様も任せてしまうのだと思います。任せていてもソツなくこなす生徒さんです。でも、生徒さんは小学低学年で、まだまだ小さな年齢です。 生徒さんがピアノの練習を嫌がるのは、きっと一人で練習をするピアノだから。その証拠に、合格レベルの曲を「帰ってから、お母さんと一緒に練習する」と言って持ち帰って いきました。一人の練習って寂しいもんね。

教室の別の生徒さんの話ですが、寂しくて泣き出してしまう生徒さんもいらっしゃいます。「お母さんが忙しくて 構ってくれない」とはっきり発言する生徒さんも。お母さんが仕事を持っていらしたり、下のお子さんの世話で忙しかったりと、お母さんなりの理由もあるのですが、 ぶっちゃけ、生徒さんには関係のないこと。生徒さん自身が寂しく思っていたら、それはやっぱり寂しいのです。ただ、こうやって自分の思いを吐き出せるお子さんは良いの ですが、内に込めて自分の中に溜め込んでしまうと、分かりづらくて気づきが遅くなる場合もあります。ちょっとしたお子さんの変化には敏感でいたいな・・・と思っているのですが。

ピアノという楽器は本当に孤独です。練習も一人、演奏も一人。だから、ピアノの練習時には横についていて欲しいのです。ただ横にいて聴いてくれているだけでいいのです。 それだけで安心できると思います。それは小学6年生まではお願いしています。6年生?って時々驚かれますが、そうすることで自立した中学生になってくれます。お子さんが嫌がらなければ 中学生以上でも付き合ってあげて欲しいです。そのうち、子どもの方から離れていってしまいます。これホント。経験者ですから・・・。ベタベタしたいと思っても、させてくれなく なります。ベタベタできるその時まで、ぜひ、寄り添い練習をお願いいたします。
臨時記号 保谷ピアノ教室 シャープやフラットの記号のつき方には、ト音記号やヘ音記号の横についている「調号」と言うつき方と、楽譜の中の音の左横についている「臨時記号」と言う つき方の2通りがあります。「調号」でついている場合は、ト音記号などの音部記号の横にしか書いていないので、楽譜の中の音を見て自分で勝手に黒鍵を弾くことに なります。「臨時記号」の場合は、臨時的にその音だけにつく記号になりますが、実は忘れてはならない「お約束」が存在します。

臨時記号を学習する時には、 覚えやすい言い回しとして「臨時記号のお約束」と言う言葉で生徒さんたちへはお話をしています。(2分休符を学習する時の「帽子は2つ」と言った感じです)その 「臨時記号のお約束」をものの見事に無視をして?忘れちゃったのかな?弾いてきた生徒さん。曲を聴いていても変よ💢「臨時記号のお約束」とはどんなお約束? ここでもう一度おさらいです。

臨時記号は、その音だけ特別の記号だから「臨時記号」と呼ばれるのですが、同じ小節(小さな生徒さんには、お部屋とお話をして います)内は、有効になる記号です。どういうこと?写真の楽譜では、1拍目に弾く和音の音にはフラットが書いてあります。これが臨時記号のフラット。そして、 赤丸印がついている3拍目と4拍目の和音、同じ音が書いてあるのですが、こちらの音にはフラットが書いてありません。ここに「臨時記号のお約束」が適用されます。 同じ小節内で臨時記号が出てきたら、その後に出て来る同じ音には臨時記号が書いてあると同じ働きになるのです。今回の楽譜の音で言うと、ミのフラットの臨時記号ですから、 その後に出て来る同じ音のミにはフラットがつくことになります。臨時記号が同じ小節内しか有効でないことの証拠に、次の小節のミには新しく臨時記号としてフラットが書いて あります。次の小節までは有効が効かないので、フラットの音が欲しければ、新たにつける必要があるからです。

音や音符の長さを覚えれば弾けるピアノですが、学習が 進んでいくと、お約束ごとを覚えたり、強弱記号などの表現を覚えたり・・・・。ただ音を出して弾いているピアノから、さまざまな音を奏でるピアノへと変わっていっている 証拠です。それに伴ってだんだんと難しくなっていくのですが、一つ一つ覚えていくようにしましょう。1度間違ったからと言って悲観することもありません。覚えていなかったら覚え直せば 良いですし、間違ったなら直せば良いだけ。いつだってやり直しができます。次から気をつけていくようにしましょう。「臨時記号のお約束」もその一つ。覚えておいてね〜。
動き 保谷ピアノ教室 「少し動きをつけて」と曲の冒頭に書かれた言葉。動きをつけるって?これ、はっきり言っちゃうと速さが揺れることを表します。速さが揺れると言うのは、 少し速くなったり遅くなったり・・・。レッスン中に、「速さがあっちに行ったりこっちに行ったりしないで」と、注意をすることがありますが、正に、あっちに行ったり こっちに行ったりすることなんです。が、それは自由気ままに弾いても良いことではありません。

この曲は、ベートーヴェンの「エリーゼのために」の冒頭部分。 ぴあのどりーむ、というテキストの6巻の最後の方に出てきます。1曲全てが載っているわけではなく、中間部の難しい部分がカットされて載っています。この曲に進むまでに、 曲の気持ちを考えることを学習してきていますので、その気持ちを学習する上ではピッタリの曲なのですが、小学生や中学生さんでは、この曲を表現することは難しいかなぁ? と言うのも、この曲は恋愛の曲。それも、両思いでルンルン!ではなく、好きなんだけど身分の差があってお付き合いできない・・・一緒にいると楽しいけれど、すっと一緒には いられない・・・要は、結ばれない恋。こんなに好きなのに、どうしようもない・・・的な・・・。その心の動きが「少し動きをつけて」に繋がっています。「動きをつけて」と 書いてあるから速さを変えなきゃ、ではなく、心のままに演奏をしたら速さが揺れちゃった、の弾き方が欲しいです。そのような気持ちで演奏をして欲しい曲です。

私の教室では、このエリーゼの曲は、何故だかピアノ男子の生徒さんに人気がある曲で、これまでに3人のピアノ男子の生徒さんが「この曲を弾きたい」と、希望を出してくれました。 せっかく弾きたい曲だからと、難しい中間部も含めて練習をしてもらいますが、小学生で1度弾いてくれたこの曲を、高校生になってもう一度弾いた生徒さんもいらっしゃいます。 技術的には小学生で弾けても、音の深さは、様々なことを経験した年齢になってからの方が深みを増します。ひょっとしたら恋愛ごとの1つや2つ経験しているかも?ですし。

楽譜の中には様々な楽語が出てきます。曲が難しくなればなるほど、楽語もたくさん出てきますし、言い回しもいろいろです。大切なのは、その言葉の本質を見極める こと。先ほどの「動きをつけて」もそうですが、速さを揺らすことが目的ではないはず。揺らせば何だって良い・・・ではないはず。心の動きを表現した結果、速さが揺れてしまっただけ。 曲に気持ちを乗せたら揺れちゃった・・・が正解だと思います。曲の中身を見て・感じて演奏に生かしていくようにしましょう。
最後の音 保谷ピアノ教室 休符の前の音って、次はお休みだから・・・って思うのか、割と早めに指を鍵盤から引き上げちゃう(伸ばす長さが足らない)ようになってしまう生徒さん、 意外に多いです。きちんと楽譜通りに弾くようにすると、この写真の曲の場合であれば1拍分の長さが欲しいところ。いや、1拍分伸ばして💢お休みは4拍目なの ですから、「4」と数えるときに、鍵盤から指を離しましょう。

もちろん楽譜通りに弾いてもらえれば問題はありませんが、私がここで言いたいのは 「自分が弾いている音をちゃんと聴いていますか?」ってこと。生徒さんの演奏を聴いていると「シソラッ!」「ソシソッ!」最後の音が短いので、スタッカートのような 音が跳ねた感じで音楽が終わっています。これじゃ、落ち着いて聴いてらんないよ💢最後の音でびっくりしてしまいます。生徒さんだって、音楽を感じて自分の音を聴いていたら、 きっと変な音楽に感じると思います。それを感じられていないと言うことは、自分の奏でた音や音楽を聴いていない・聴けていないのです。まだまだ自分が弾くことに一生懸命な 証拠です。音楽は、人にどう聴こえているか?どう聴かせられているか?が全て。もっともっと自分の音を聴くことを意識しましょう。

音楽って言葉と一緒です。例えば、 「それ、やっといて!」と言う場合でも「それ、やっておいてね」の方が優しい物言いになりませんか?言い方にもよりますが、「それ、やっといて!」と大きな声で言われたりすると、 怒っているようにも聞こえます。先ほどのフレーズも同じこと。「シソラッ!」と弾くよりも「シソラ」の方が優しい音楽になります。ちょうどこの音楽の1つのフレーズの終わりの音ですから、 そもそも優しく音楽を収めなければならない音です。それを短く跳ねちゃったら、乱暴な音楽になってしまいますね。

言葉の語尾の違いで受け取り方が変わってくるように、フレーズの 最後の音の弾き方で曲の印象も変わってきます。弾き方にももちろん気をつけますが、自分の奏でる音もよく聴くようにしていきましょう。音を聴けば弾き方が変わってきますよ。
はじめがかんじん 保谷ピアノ教室 「暑い、暑い」と言っている間にお盆期間がやってきて、生徒さんたちの夏休みも終わりが見えてくるようになりました。楽しい夏休みだったでしょうか? きっと、これから楽しいことが待っている生徒さんもいらっしゃると思います。せっかくの夏休みだから、ピアノをたくさん練習を・・・って言いたい気持ちも ありますが、せっかくの夏休みだからこその、少し長い旅行や遠い所へ出かける旅行もできます。普段できない経験もまた、夏休みの醍醐味でしょう。有意義な 時間を過ごしたいですね。

ただ、どんどん遊んで〜とばかり言っていられない生徒さんもいらっしゃいます。合唱コンクールのオーデションを受ける 生徒さんや秋のステップに参加をする生徒さんは、まずは両手でミスなく弾ける状態を作らなければなりません。正しく弾いてくれないことには、表現力を つけて演奏する学習ができません。特に秋のステップに参加をする生徒さんは、ステップはまだ先の話だから・・・と油断をしてしまいそうですが、9月から学校が 始まって普段の生活が戻ってくると、ピアノばかりではなく他の習い事もありますし学校の宿題も。その時になって慌てて練習をしなくてもいいように、夏休みの間に、 演奏曲の譜読み(音やリズムを正しく弾ける状態にすること)をゆっくりで構いませんから、やっておくべきです。上手に弾けなくてもいいのです。曲の最後までを 把握しておきましょう。そうすることで、学校が始まって忙しい毎日が戻ってきても、新たに楽譜を見る手間が省けます。

知った曲を演奏曲に選んだ小学生の 生徒さん。知っている曲を練習するときの注意ごとは、最初が肝心だと言うこと。厚紙で綺麗に作られた表紙を開くと「はじめがかんじん」と、注意書きがあります。 そうですよ!最初が肝心ですよ!毎回の練習で生徒さんの目に入るように、貼ってくださったのですね・・・。何だか嬉しくなりました。知っている曲だからこそ、自分の 頭の中にあるイメージで弾いてしまいがちになりますが、ここは楽譜を正しく読んで弾くところ。そのための楽譜の読み方を学んできたのですから、ちゃんと見ないとね。 生徒さんは、そのことがわかっているから正しくミスなく楽譜を読んでくれています。でもまだ上手じゃないけど・・・。(ごめんね、私、嘘がつけなくて。ここから上手に 仕上げていくから大丈夫だから・・・)

いつもより少しだけ時間に余裕のある夏休みだから、ステップに参加をする生徒さんは、上手に弾けなくても最後まで両手で 弾ける状態を作っておくようにしましょう。ステップに参加をしない生徒さんも、練習時間に余裕があるようでしたら、いつもより1曲多く練習をしてみる、新しい音符カード 読みに挑戦してみる、など、少しだけ頑張る夏休みを過ごしてみましょう。くれぐれも無理はしないでください。遊びも頑張れる夏休みですから・・・・。
休み明けレッスン 保谷ピアノ教室 お盆期間中、1週間ほどお休みをしていた教室ですが、19日土曜日からレッスンが始まりました。早速、小学生の生徒さんからレッスンが始まり、大人の生徒さんまで 皆さん元気にいらっしゃいました。またいつもの楽しい・厳しいレッスンの始まりです。練習が思うようにできなかった生徒さんも大丈夫。思うようにできなかった 生徒さんは、これから頑張って練習をすれば良いですし、練習ができている生徒さんは、このまま前に進むだけ。小学生・中学生の生徒さんたちは、あと10日もすれば 学校が始まってしまいます。少しづつ身体を慣らしていくようにしましょう。

大人の生徒さんでも子どもの生徒さんでも、ちょっとつっかかってしまう箇所が ある場合は、どうしてつっかかってしまうのか、何が弾けなくしているのか、考えてみましょう。片手でスルスル弾けないまま両手練習を頑張っている場合もありますし、 両手練習の部分練習が必要な場合もあります。ゆっくりの速さの練習をした方が良い場合もあります。生徒さんによって、今、必要な練習方法は違いますから、どうしたら 良いのかわからない時は、そのままお越しくださって構いません。一緒に練習方法を見直していきますよ。弾けるようにしていくのがピアノ教室ですから、弾けなくて当然。 一緒に頑張っていきましょう。8月の残りの期間も、多くの生徒さんに振替レッスンが発生しています。お間違えのないよう元気にお越しください。
トルコ行進曲 保谷ピアノ教室 ベートーベンのトルコ行進曲には、たくさんの装飾音符が出てきます。楽譜の中に、いつもの音符よりはちょっと小さく書いてある音符が装飾音符です。装飾音符には、 スラッシュが入っているものと入っていないものとあります。基本的にスラッシュが入っているものは、とてもとても短い長さで弾く装飾音符になります。極めて短く・・・ と表現することになると思いますが、そうすると結果的に鋭い装飾音符になります。ただ、鋭く弾くのか少し穏やかに弾くのかは、演奏曲によって変わってくると思います。 のんびりとした曲の中の装飾音符が、鋭い感じになってしまったら、ちょっと違うと思いませんか?装飾音符の入れ方も、曲の性格・イメージ・雰囲気を感じて入れるように していきましょう。

ベートーベンのトルコ行進曲での装飾音符は、どのように入れたら良いでしょうか?行進曲という曲名からして、勇ましい曲です。実はこの曲は、 劇の中の音楽に含まれる1曲で、原曲はピアノ曲ではありません。オーケストラで演奏される曲だったものが、この音楽だけがピアノ曲に編曲されているので、編曲者によって 微妙に楽譜が違っています。ただ、どの版での楽譜でも、「行進曲」には変わりがありませんから、元気に勇ましく演奏することが求められます。そんな曲に使われている 装飾音符ですから、鋭く入れる装飾音符になります。鋭く弾きたい時は、指を立てて鍵盤に触れるのは指先だけにします。鍵盤の上から指を落として弾けば、音は鋭くなりますし、 鍵盤にペタッと指を張り付かせて弾けば、音は柔らかな穏やかな音になります。指から鍵盤までの距離や指のどの部分を使って弾くのかなど、様々な要因で多彩な音を弾き分けます。 自分の欲しい音が、どの弾き方で出せるのかを研究するようにしましょう。

この曲は、私の教室では、初級段階のまとめの曲の1曲として学習をしています。生徒さんが 使用されているテキストの、最後のまとめ曲の中の1曲だからです。が、私個人的には、この曲も難しい曲だと思っています。装飾音符の弾き方もそうですし、左手の弾き方も2拍子を 感じて演奏しようとすると難しいです。この曲の左手の伴奏形は、ブン、チャッ、チャッ、チャッですから、最初のブンの音を少し大きく弾くようにしましょう。左手だけを聴いたときに、 音楽になっているように演奏できるようにしましょう。伴奏だから小さく弾いておけばいいんでしょ!ではなく、もちろん旋律よりも大きく弾いてはいけませんが、伴奏にも音楽が あります。伴奏なりの音楽の上に旋律の音楽を乗せていくようにしていきたいです。曲のイメージに合った弾き方、リズム(拍子)を感じて弾くこと、旋律に気持ちを込めることなどを 融合させて曲を仕上げていくようにしたいですね。
書き込みファイル 保谷ピアノ教室 4ページ分の楽譜をファイルに入れて持ってきてくれた生徒さん。おやっ!?これ、ピアノのレッスンをするのには、とっても便利なファイルです。お母様が 見つけてくださり、購入したとのこと。お母様、お目が高い!

写真ではわかりにくいかもですが、このファイルは、上下でプリントを挟んでいるだけで、 楽譜の部分はファイルのシートに入っていません。楽譜は裸のまま。で、何が良いのかというと、このファイルに入れたままレッスンを受けられるということ。自分が 演奏をするだけならば、楽譜の全ての部分がファイルに入っていても構いませんが、レッスンをするときには何らかの注意事項や書き込みが発生するもの。そのときに、 楽譜にすぐに書き込めるようになっています。ファイルに入れたまま譜面台の上に広げられて、書き込みがすぐにできる!便利な優れものなんです。

実はこの 書き込みできるファイル、今、ピアノ教室の先生(ピアノだけではないと思いますが)たちの間で、話題になっているもの。私は、夏に入る少し前に先生仲間から教えて もらいました。その時のファイルは、キングジムの「カキコ」ジャバラタイプ というものでしたが、これがまたよく作られていて・・・・。へぇ〜、へぇ〜の連続でした。 興味のある方は、検索していただくと出てくるかと思います。残念ながら、実際の「カキコ」ファイルを持っていないので、お見せすることはできませんが。今は、「カキコ」 ファイルに似たものが様々に売られていますので、お好きなものを買い求めることができると思います。

本当に年月と共に、いろいろと便利なものが出てくるものだと 思います。私の小さい頃のレッスンでは、スクラップブックに楽譜を貼って持ち歩いていたものです。糊付けの手間はかかりますが、楽譜もきれいな状態で保存ができますし、 レッスンでもすぐに書き込みができます。ファイルに入っていると、書き込むときには取り出さなければならないので、手間と言えば手間。ちょっとしたことなんですけどね。 「ブルグミュラー25の練習曲」と言うピアノの王道の教材も、昔は小さな音符で書いてある楽譜1択だったものが、小さな生徒さん用の大きく書かれた楽譜が出回るようになり、 最近は、大きく書かれた楽譜で、譜めくりをしないで済むように見開きになる楽譜も出てきています。これがまた、イイのです。これも時代?だんだんと便利なものが出てくる ようになりますね〜。何だってそうですけど。今日は、思わず感動したファイルのお話でした〜。
時の旅人 保谷ピアノ教室 中学の合唱コンクールの伴奏の練習をしている生徒さん。合唱コンクールでピアノ伴奏を行うことは花形ではありますが、あくまでも伴奏なので一人で演奏をするソロとは 違います。ソロで弾く部分は大いに目立ってもらって構いませんが、合唱部分の伴奏は裏方仕事。合唱よりも目立っちゃった!では困ります。だからと言って、どうでも良い 弾き方にはなりません。裏方仕事の中にも音楽が存在します。

写真には2小節分の伴奏が載っていますが、右手の部分に小さなスラーが書かれています。3音、3音、 4音のまとまりでスラーが書かれています。この小さなまとまりの中にも、音楽を作って弾く必要があります。この右手、和音で書かれていますから、和音の1番上の音が響く ように弾かなければなりません。旋律が和音の音楽は、大抵の場合、1番上の音がメロディーになっています。じゃ、上の音だけをガンガンに音を鳴らして弾けば良いのかと 言うとそうではなく、その中にも歌心が必要になってきます。この小さなスラーの中で音楽を奏でて欲しいのです。この曲でお話をすると、3音のフレーズは最初と最後の音は 優しく、真ん中の音で少し盛り上げる形になります。最初や最後の音をドスン!と弾いてしまうと、何とも格好の悪い音楽になってしまいます。4音のフレーズも同じことで、 最初と最後の音は優しく、真ん中の2音が頂点になります。3音や4音の小さなフレーズも大切に扱って欲しいのです。

「盛り上げて」「頂点」と言うと、いかにも その音をガツンと大きく弾いてしまいそうになりますが、何事も限度があります。もちろん最初と最後の音よりは大きくなりますが、その差はほんのちょっと。気持ちよく 聴けるかどうかがカギ。そのためには自分の音をよく聴かなければなりません。流して聞くのではなく、意識を持って聴くです。なかなか自分の音が客観的に聴けないので あれば、録音をしてみると良いです。今はスマホなどで簡単に録音ができますから、一度試してみても良いと思います。その際の注意事項として、弾いているピアノのそばに スマホを置かないこと。本番でもそうですが、真横で聴いているわけではありません。観客は離れたところで聴いていますよね?ですから、録音する時のスマホも離れたところに 置きましょう。そうして自分の演奏を聴いてみる。心地よく耳に入ってくればOKですが、雑な音楽になっていたり、ガツン!と音がうるさく感じたりすれば、心地よい音楽 とは言えません。自分の音を聴けば弾き方も変わってくるはず。心地よい演奏を目指しましょう。
強い音 保谷ピアノ教室 楽曲の中に「この音はキメたい!」って言うキメ音ってあると思います。大きな音で響かせたい音のことです。大きな音は欲しいけれど、決して乱暴ではない音。 そんな音を弾くときには、鍵盤に対する指を強く振り下ろす・・・限度はありますが、上から指を持ってくると大きな音が出ます。でも、指だけで弾いていても、 なかなか自分の思ったような音って出ないのですよ。残念なことに。じゃ、他には何に気をつければ良いでしょうか?

ソナチネのテキストを練習中の 大人の生徒さん、練習中の曲はメリハリがはっきりついた曲で、弱い、強いがパッと切り替わって弾くような曲。弱く弾いていたと思ったら、次の音は強く出てくる ような曲で、気持ちの切り替えが必須。写真にあるフォルテの部分も、始まりの一音目からパン!と、響きが欲しい音。もちろん指先には身体の重みも乗せて弾くの ですが、指先だけでどうにかしようと頑張っても、思うような音が出ないことが多いです。何かキまらないのです。キメ音で弾きたいのにキまらない・・・・。 そこで生徒さんに「その音を弾くときに何をしていますか?」と聞いてみました。何をしてるって弾いてます!って言われそうですが、私も意地悪な質問をしていますね・・・。 私の性格の悪さが出てる!ここで尋ねたかったことは「呼吸をどうしていますか?」ということ。キメ音を弾く前に息を吸ってから弾いているでしょうか?意識をして 弾いていないかも?ですね。厳密に言うと、キメ音の前に息を吸って、キメ音を弾く一瞬は呼吸を止めています。今から大事なところよ〜の前に息を吸ってみましょう。 今まで出せなかった良い音が出るはず。これホント。生徒さんにも実際にやってもらうと「音が全然違いますね」と、納得してくださったよう。うんうん、良い感じ。

ピアノを演奏することは、全身運動をすることだとも言われています。楽譜を目で見る・音を聴く・鍵盤に触る・足でペダルを踏む など、全身を使って います。鍵盤に触ってピアノの音を出す作業でも、指先だけを動かして弾いているのではなく、腕から持っていったり指先に重みを乗せたりなど、ただただ指を動かして 弾いているわけではありません。そこに呼吸のことも考えて演奏に生かしていきましょう。せっかくのキメ音、バシッとキメて弾きましょう。
和音 保谷ピアノ教室 はじめて、ドミソなどの三和音の練習に入る時は、教室では「鉛筆はさみ練習」などを通して、他の鍵盤を触らないように練習をします。和音は同時に 音をズラさないで弾かなければなりませんから、自分の音がズレているのか・ズレていないのか を聴く必要があります。それと同時に、もう一つ聴いて 欲しいことがあります。

特に気をつけて欲しいのは、未就学児の生徒さんや小学1年生の生徒さんなど、小さな生徒さんです。ドミソの3つの 音を弾いているつもりでも、実際にはドミ、ドソなど、2つの音しか鳴っていない場合があります。はじめて三和音に挑戦している年長の生徒さんもその お一人。ドミソの鍵盤を押しているつもりになっていますが、力加減が一定でないので浮いている指があります。もちろん、きれいにドミソの三和音が 弾けている時もあります。弾けている時もあるし弾けていない時もある、そんな状況です。自分では鍵盤を押さえているので(押さえているつもりになっているので) 先へ進もうとするのですが、実際には音は3音鳴っていないので、先へ進んではいけません。じゃ、どうするか?押さえればいいのです!なんですが・・・・、 きちんと押さえているのか・押さえていないのか 自分の音を聴いて欲しいのです。ドミソの三和音の響きと、ドソ、ドミ など2つの音の響きの違いを 聴き分ける力が必要になってきます。何気に流して聴くのではなく、意識をして聴いてみましょう。3つの音と2つの音では、響きは全く違いますよ。

教室では、3つの音の響きと2つの音の響きを聴いてもらって、生徒さんに確認をしてもらっています。音って1音違うだけで、響きの厚みが違ってきます。 何度も何度も聴き比べてみましょう。正しいものと正しくないものの違いが分からなければ、直すことって難しいです。年齢の小さな生徒さんは、手も大きく ないですし、指の筋肉も発達しているわけではありません。和音は弾きにくいと思います。ですから他の音も触ってしまいますし、バラン!と音がズレてしまう こともあります。ですが、弾けないわけではありません。正しいものと正しくないものを聴き分けて、正しいものだけを弾けるようにしていきましょう。
天国と地獄 保谷ピアノ教室 「今、ピアノが本当に楽しいんだよね・・・」と、毎回のレッスンで言葉にしてくれる生徒さん。基礎の学習が終わり、ブルグミュラーとギロックの 曲集を中心に学習を進めている生徒さんです。何ヶ月か前に「天国と地獄が弾きたい」と申し出があり、運良く弾けそうな楽譜が見つかったので、今、 練習中です。運動会で流れることの多い「天国と地獄」の曲、曲名を聞くと??かもしれませんが、一度くらいは聴いたことがあるのではないかと 思うくらい有名な曲です。ただしピアノ曲ではなくオケの曲になります。

基礎の学習が終了すると、ある程度の楽譜が自分で弾ける力が備わって いますから、特別に難しい楽譜でない限り弾けるようになります。ここから先の学習は、ポピュラー曲などを楽しく練習していくのか、ピアノの表現力を 磨いていくのか・・・の大まかな2択。もちろん、どちらか一方を選択しなければならないと言うことはなく、2つを交互に取り入れている生徒さんも いらっしゃいますし、先ほどの生徒さんのように、表現力重視のレッスンを軸に、弾きたい曲を取り入れている生徒さんもいらっしゃいます。選択出来る 段階に入ったら、生徒さんたちへは個別に案内をしていますから、じっくり考えられたら良いと思います。

ピアノって、本当に楽しいなぁ・・・と 思えるようになるのは、先ほどの生徒さんのように、ある程度の曲の楽譜を見て、自分で弾ける力が備わってからだと思います。自分の弾きたい曲が、楽譜を 見て弾けていくなんて、素晴らしいと思いませんか?そのためには基礎の学習が必要であり、音読みや音符の長さも覚えていかないと無理ですけど。基礎の学習は コツコツが必要で、地道な学習ばかり。考えてみれば、つまらないですよね。でも、その先にある「弾きたい曲を弾く力」を手に入れるまで、地道な作業を続けて 欲しいと思います。
新しい音 保谷ピアノ教室 はじめてピアノを学習する生徒さんには、ドの音からの音読みを学んでもらうことになりますが、お子様のテキストは、最初のドレミ、ドシラに かなりの時間をかけて学んでいきます。その後、少しづつ音が増えていきますが、ト音記号・ヘ音記号ともに1オクターブの学習までは割と時間を かけてゆっくり進みます。このゆっくり進んでいる間に、先取りでの音読み学習を推奨しているのですが、中には、ゆっくり進んでいる間の練習曲が スラスラ弾けるようになっていることから、音読み学習を一時中断してしまう生徒さんも。するとどうなるか・・・・?結構大変な状況に陥ってしまいます。

では、大変な状況とは?それは、次に新しい範囲の音学習が出てきた時に、今まで普通に読めていた音もわからなくなってしまう場合があります。音学習は、練習をしてきた曲の 音だけがわかっていても意味がありません。知らない曲の楽譜を見て、何の音なのか即座に理解できなければ、いつまで経っても音読みが苦手なまま。そんな 状態では、1曲を弾くのに時間ばかりがかかってしまいます。苦しいピアノ学習の始まりです。そんな状況にはなりたくないですよね?最初の音読みに苦労をして できるようになった年長の生徒さん、そのまま新しい範囲の音読みを学習して欲しかったのですが、パタリと音読み学習を中断してしまいました。新しい 音の学習に進んでみると、今まで読めていた音もあやしい状態に。全く違う音を答えたりして、先に進むことができません。

苦労してやっと読めるように なっていた音読みですが、完全に定着するまでは続ける必要があります。1週間に1曲、それも短い曲が弾けているからと言って、音読みが定着していると考えるのは 時期尚早です。お子さんたちは耳が良いので、短い曲を1週間も練習していると、音を覚えてしまっています。楽譜を見ないで音の響きだけで弾けてしまうのです。 音読みは、最初の1~2回の練習だけ行っている場合があるので、定着させるためにも音読み学習を続ける必要があるのです。

ピアノの鍵盤は、88鍵あります。 その中で白い鍵盤の数は52鍵ですが、その全てを覚えるまで・・・とは言わなくても、学習が進めば加線の音も読まなくてはなりません。せめて、五線の中の音読み 学習が続いている間は、途中でやめないで音読み学習を続けていきましょう。当分、やめちゃいけない音読み学習です。
鍵盤 保谷ピアノ教室 最近、小学1年生の生徒さんお二人が、電子ピアノからピアノへ買い替えをされました。ピアノ学習の早い段階でピアノに触れて練習ができることは、 本当に幸せなこと。ピアノを習っているわけですから、ピアノで練習をすることが1番良いのですが、住宅の事情や家庭の事情がありますから難しい 問題でもあります。ピアノと電子ピアノとの練習では、気をつけて欲しいポイントが違うので、そのあたりの話をしていきたいと思います。

ピアノは、電気の力で音を出しているわけではありません。自分の指一つで様々な音を出します。例えば、少し上から指を落として鍵盤を押さえた時の音と、 鍵盤の近くで押さえた時の音って違っています。指先が鍵盤に対して鋭く入って弾く時の音と、指の腹で弾く時の音も違っています。スピードや角度や様々なことが 合わさって音の響きができていきます。これが「音色」と言われるもの。ねいろ とか おんしょく とか言います。これらを弾き分けて曲が仕上がっていきます。 ですからピアノでの練習は、自分の音をよく聴いて欲しいのです。弾き方が違えば音の響きも微妙に違っているはずですから、その微妙な音の違いがわかるように なって欲しいと思います。音が鳴っていれば良い、と言う弾き方ではなく、芯の通った音が欲しいのですが、その芯の通った音というのも、自分が弾いている音を 意識して聴いていると、わかるようになります。まずは指でしっかりと鍵盤を押して弾くようにしましょう。そして、その時の音をいつも聴くようにしてください。

これに対し電子ピアノでの練習では、ピアノでの「音色」はつけられない楽器となっています。そもそもの音を出す仕組みが違っているためで、弾き方を 変えても音は変わりません。電子ピアノの音は、ピアノの音をサンプリングした音(録音された音)になるので、音の響きが変わることがありません。ピアノでの 練習のように、音の響き方の違いを聴くことができないのです。じゃ、無理じゃん!どうするのよ!と、なるのですが、私が生徒さんたちへお話をさせていただくのは、 教室でピアノを弾いた時の指の感覚を、自宅練習で再現して欲しいと言うこと。教室ではピアノでレッスンをしていますから「ここは、指を寝かせてそっと弾いて」 「ここは指を立てて鋭く入って」とか、指の使い方をお伝えして音の違いを感じてもらっています。音の響きを聴いて、自分が出したい音を出せるように指導して いますが、自宅の電子ピアノでは音の響き自体は変わらないので、レッスン室で弾いた指の感覚を思い出して再現して練習をするようにしましょう。

どちらの楽器での練習でも、ピアノの基礎の学習の間は、手の形を整えること、手首の位置を下げないこと、鍵盤をしっかり押さえること、の基本の弾き方を 習得することが先です。「音色」を弾き分ける学習は、ある程度の曲を弾くようになってからですから、それまでにピアノの基本の弾き方を身につけて、楽譜を読む 力を養っておくようにしましょう。